構造制御ナノカーボンを用いた革新的低密度モノリス型ポリマーナノコンポジットの創成

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26420700
• Research Institution: Shinshu University
• Principal Investigator: 竹内 健司 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (20504658)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: カーボンナノチューブ / ポリマーモノリス / 樹脂複合材

Outline of Annual Research Achievements

省エネルギー・軽量化のニーズに応えるべく金属代替できる物性を持つ樹脂複合材の開発が求められている。本研究は、カーボンナノチューブ（CNT）の最適化、CNTの均一分散加工技術およびリビングラジカル重合を用いたスピノーダル分解型の相分離構造を有する細孔共連続構造ポリマー技術「ポリマーモノリス技術」を最適に融合することにより、超高強度樹脂複合材の技術基盤の構築を目的としている。初年度の平成26年度は、複合材に適したCNTの検討に加えてポリマーモノリス材調製の試作・基礎評価を行った。一般的なCNT複合材は機械強度や耐熱温度は向上するが、柔軟性を低下させてしまう傾向がある。そこで、極めて高い強度を持つCNTとポリマーモノリスの超柔軟性を最適に融合させることで、従来樹脂材よりも高い圧縮破壊強度を有しつつ、従来の低比重発泡材料よりも高い初期応力と圧縮破断強度を持つ革新的な樹脂複合材の可能性について検討した。今後は複合材用CNT最適化およびポリマーモノリスのCNT分散方法を改良、ポリマーモノリス／CNT複合材の最適配合を探索・評価の実施、最適ポリマーと高機能付与CNT（異種元素ドープ等）による試作評価、CNTや分散剤の添加量に対する強度等、力学的特性を順次検討していく予定である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

CNTを用いたポリマーモノリス材の基礎検討において、CNTの均一分散加工法とリビングラジカル重合を用いたポリマーモノリス技術によって樹脂複合材を試作した。調製したモノポリマー材の基礎評価により、エポキシ材よりも高い圧縮破壊強度を有しつつ、一般的な低比重発泡材料よりも高い初期応力と圧縮破断強度を有し、また圧縮後も構造の割れや破断は見られないことを確認した。

Strategy for Future Research Activity

本研究の目標を達成すべく、今後以下の検討を効率的に進める。①複合材用CNT最適化およびポリマーモノリスのCNT分散方法を改良、②ポリマーモノリス／CNT複合材の最適配合を探索・評価の実施、最適ポリマーと高機能付与CNT（異種元素ドープ等）による試作評価、③CNTや分散剤の添加量に対する強度等、力学的特性について調べる。

Causes of Carryover

当初計画時よりも、所有の物品に加えて消耗品を安価で購入できたため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰り越し額と次年度の研究費を合わせ、これまでの研究状況を鑑みて実験回数を増えることが予想されるので、主に複合材の調製に用いる消耗品（原料、薬品、実験機器等）の購入に使用する。