2014 Fiscal Year Research-status Report
今までとは異なったアプローチでのCNTを用いた炭素繊維強化樹脂複合材料の開発
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26420715
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
内藤 公喜 独立行政法人物質・材料研究機構, 複合材料グループ, 主幹研究員 (70421394)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CNT / 複合材料 / ハイブリッド / 力学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
炉内の温度を400~800℃で変化させ、カーボンナノチューブ析出炭素繊維を作製した。また、カーボンナノチューブ析出した炭素繊維については単繊維での引張試験を実施した。低温領域ではカーボンナノチューブ析出が困難であった。一方、高温領域ではカーボンナノチューブ析出は可能であったが、引張強度が未処理の炭素繊維の半分以下に低下した。 繊維巻き取り装置およびヒートローラを用いて、未処理の炭素繊維とエポキシ樹脂フィルムからなる炭素繊維プリプレグを作製した。本プリプレグを重ねることによりCFRPを作製した。 未処理、カーボンナノチューブ析出およびカーボンナノチューブシート混入炭素繊維/エポキシ複合材料を作製し、層間せん断方向の強度試験を実施した。未処理と比較して、カーボンナノチューブ析出では層間せん断強度の向上が見られた。カーボンナノチューブシート混入では低含有量の混入では層間せん断強度の向上が見られたが、高含有量では層間せん断強度の低下が見られた。カーボンナノチューブ析出およぶ低含有量のカーボンナノチューブシートの混入では、凹凸が激しい破断面となった。一方、高含有量のカーボンナノチューブシート混入ではカーボンナノチューブシート間で非常に滑らかな破断面となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単繊維での引張試験に時間がかかったが、プリプレグ化からCFRP化の過程が予定よりも順調に進み、最終的に本達成度となった。層間せん断強度評価では一部、次年度の表面処理の必要性がないような結果も現れたが、高含有量のカーボンナノチューブシート混入では予想していた結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験データを蓄積が少なく、結果の再現性も確認する必要がある。次年度は本作業を進めるとともに、カーボンナノチューブ析出炭素繊維およびカーボンナノチューブシートへの表面改質についての検討を実施する。カーボンナノチューブ析出炭素繊維については複合材料の結果で表面改質の必要性がないように思われ、表面改質の効果の見極めが困難であることが予想される。カーボンナノチューブシートでは、よい表面改質の効果が得られれば、高含有量のカーボンナノチューブシートの混入で強度や破断面に明確に違いがでるものと期待している。
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Research Products
(11 results)