2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of 3D/4D crystallographic orientation mapping by X-ray diffraction amalgamated grain boundary tracking
Project/Area Number |
26420723
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小林 正和 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20378243)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射光 / トモグラフィー / 変形組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
X線CTは,最近,金属材料の変形破壊に関する学術調査において有力なツールとなっている。CTによる4D(=3D+時間)ひずみマッピングと結晶方位情報を与えるX線回折援用粒界追跡法の組み合わせは,結晶粒レベルの不均一変形状態の研究に利用できる独自手法である。通常では観察困難である結晶粒内の変形ひずみと結晶組織変化を4D観察するため,X線集光デバイスの利用および結晶方位解析の最適解探索アルゴリズムを導入することでDAGTを発展させ,変形組織における3D/4D結晶方位マッピングを実現する。これは金属の降伏,加工硬化や変形集合組織発達のメカニズム解明に利用できる。本研究では,研究期間中にSPring-8にて8回の放射光実験を行っている。放射光X線回折において,結晶粒の塑性変形による回折点の変化について調査を行った。引張変形により回折点が広がり強度は低下する。その変化を調査したところ,ひずみ増分が11.46%で,ω角度に最大で25度,平均で6度広がった。ω角方向への回折点の広がりは,ディテクタのy,z方向に生じる。強度変化の少ない回折点も存在し,それは材料内部の不均一変形でほとんど変形しない結晶粒が存在するためである。また,アルミニウム合金の24%平面ひずみ圧縮について,Pb粒子をマーカーとして放射光CTを使って個々の結晶粒の局所ひずみを計測した。垂直・せん断ひずみ成分において,試料内部でひずみ量の違いがあり局所不均一変形が観察できた。おおよそ数十から数百μmの領域サイズで異なる方向にせん断する特徴もみられた。圧延集合組織の方位成分で,{112}<111>はひずみ量と粒内方位差に比例関係にあることや,{001}<100>は同程度のひずみ量を受けた他の方位に比べて粒内方位差や方位分散が小さいなどの特徴が見られた。実験による多結晶材料中の変形組織形成メカニズム解明の可能性が示唆された。
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