2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420732
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
小林 清 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主幹研究員 (90357020)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 固体電気化学 / 電極過電圧 / 電気化学インピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
異なる固体電解質/電極系の電極応答特性を電気化学インピーダンス法を用いて実験的に検討した.酸化物電極の電極応答特性は電極粉体の形状,焼き付け条件に強く依存していた.また電極抵抗の温度依存性等は電極物質の電気抵抗の温度依存性と全く異なっていた.この結果は酸化物電極応答は酸化物電極材料の電気的性質と無関係であることを意味する. 白金を電極に用いた場合,電極応答特性は電解質の種類に依存していないことが示唆された.この結果は白金表面での吸着酸素拡散など,電解質とは無関係な現象によって現れていることを意味していた.従来の電極応答モデルでは電解質に電気二重層が生成することを仮定している.しかし固体電解質系では従来の電気二重層モデルを適用することが不適であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,複数の電解質,電極の組み合わせによる酸化物イオン伝導体/電極系のインピーダンス解析が進みつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
実験によって得られるインピーダンススペクトルは非理想的な形状であり,単純な理論で詳細な解析ができないことも明らかになってきた.最終年度に計画していた詳細な解析には従来法による解析では能力不足であることもわかってきた為,新たに独自の解析プログラム開発を行う必要がある.新たな解析プログラム開発は既に着手しており,50~60%レベルの完成度に至っている.来年度は開発したプログラムを用いた高度なインピーダンス解析を実施する.
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