2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420749
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大塚 秀幸 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (10343857)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再結晶 / 球状化 / マルテンサイト / パーライト / 方位配向 |
Outline of Annual Research Achievements |
変態挙動、変態組織および組織の結晶方位に及ぼす磁場の影響を明らかにすることにより、磁場による組織制御がどの程度可能であり、さらに磁場による材料特性の制御が可能かどうかを探ることができる。Fe-Ni-C系合金におけるマルテンサイト変態および再結晶、さらにはパーライトの球状化に及ぼす磁場の影響について調べた。マルテンサイト変態の場合、磁場印加により変態量は大きく増加するとともに試料内の一部できわめて大きなサイズのものが生成することが分かった。再結晶挙動に磁場の影響はほとんど見られなかった。再結晶方位に及ぼす磁場の影響については現在方位解析中である。パーライトの球状化についてもこれまでのところ磁場の影響は小さい。今後組織変化についてさらに詳細かつ定量的に解析を進めたい。また、第一原理計算によりFe-C、Fe-N、Fe-B系について磁気モーメントを計算し、いずれも侵入型元素が増えるほど磁気モーメントが大きくなることが分かった。これらの計算結果を用いて磁気モーメントの温度や磁場による変化を計算し、磁場による変態温度の変化の見積もりに利用しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高温・強磁場中磁化測定装置の作成の準備は整っているが超伝導マグネットが故障したため作成は完了しなかった点が計画より遅れている。新年度は早急にマグネットの立ち上げと磁場測定装置の立ち上げに取りかかる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
高温・強磁場中磁化測定装置の作成を進めるとともに、鉄系合金の磁気モーメントを第一原理計算により求める。また、再結晶に及ぼす磁場の影響をより詳細に調べるため、加工度、加熱温度や印加磁場を変化させた場合の再結晶挙動と組織、さらには方位変化を調べる。最終的に磁場による組織制御の可能性を追求する。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加をやめたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加の旅費として使用予定
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