鉄鋼材料の拡散型相変態に及ぼす磁場の影響

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26420749
• Research Institution: National Institute for Materials Science
• Principal Investigator: 大塚 秀幸 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 元素戦略材料センター, 主席研究員 (10343857)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 磁気エネルギー / 磁場効果 / 変態温度変化

Outline of Annual Research Achievements

変態挙動、変態組織および組織の結晶方位に及ぼす磁場の影響を明らかにすることにより、磁場による組織制御がどの程度可能であり、さらに磁場による材料特性の制御が可能かどうかを探ることが出来る。本年度は変態に及ぼす磁場効果を定量評価するために必要である、磁気エネルギーの理論的な見積りを行った。磁気エネルギーを計算することにより、磁場印加による変態温度の変化を定量的に見積もることが可能になり、磁場による変態温度の変化の予測に役立つ。磁気エネルギーは、磁化率の実測値を用いる場合とワイスの分子場理論を用いる場合について比較した。両者はほぼ一致したが、変態温度の実測値と比較するといずれの場合も変態温度の上昇を実測より大きく見積もることになった。このような計算と実測の差の原因は今のところ不明である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

超伝導マグネットの故障のため実験に遅れが出ている。マグネットは点検を行ったがまだ直っていない。

Strategy for Future Research Activity

磁場印加による変態温度上昇について、計算値と実測値の差の原因を明らかにして変態温度の磁場による変化の予測精度の向上を図りたい。また、ワイスの分子場理論を用いた変態温度変化の計算のためには磁気モーメントの値が必要になるため、第一原理計算による磁気モーメントの計算を行いたい。さらに再結晶に及ぼす磁場の影響を明らかにするため、加工度、加熱温度、印加磁場などを変化させた場合の再結晶挙動と組織、結晶方位変化を調べる。

Causes of Carryover

マグネット故障により予定していた実験ができなかったため、また予定していた学会参加をやめたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

学会参加および外部機関での実験のための旅費として使用予定