2015 Fiscal Year Research-status Report
迅速混合に着目した超臨界水熱ナノ粒子連続合成プロセスの設計基盤の確立
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26420775
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 宣明 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (90437244)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超臨界流体 / 流通系反応器 / 混合速度 / 反応律速 / 設計 / ダムケラー数 / 反応速度解析 / 無次元数 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,流通系反応器を用い,流動条件と生成するナノ粒子のサイズの関係を整理した。原料流体の流量の増加と混合部の直径を小さくする,つまり混合を速くするのに伴い生成するナノ粒子サイズが小さくなること確認した。 次に,硫酸セリウムと亜臨界・超臨界水を用いて酸化セリウムナノ粒子を合成する反応速度解析を行なった。亜臨界域までの反応速度定数から頻度因子と活性化エネルギーを求め,超臨界領域の反応速度は誘電率の影響を加味した速度定数として推算した。 混合速度は流通式反応器の装置因子から直接決定できる流量を混合部の直径で割ったものとした。 さらに,反応速度を混合速度で割った無次元数であるダムケラー数を用いて各合成温度に対して粒子サイズと無次元数の関係を整理した。この結果,ダムケラー数が0.1未満の領域で粒子サイズは混合速度に依存しなくなる(反応律速),つまり反応温度だけで粒子径が決まることを見出した。これは流通系の反応装置の流路サイズや操作条件をこの無次元数の領域に入るように設計すれば反応律速条件の粒子サイズで粒子合成ができることを意味している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無次元数を用いて操作条件と生成ナノ粒子サイズの関係を定量的かつ総合的に整理できているため,研究課題は順調に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度は混合速度を操作因子から推算していたが実際の混合速度を定量的に求めていく。このために混合律速かで実験を行ない,粒子サイズとみかけの反応速度(混合速度+反応自体の速度)を求めていく。みかけの速度は混合と反応の直列抵抗の逆数と考え,反応自体の速さは前年度に求めているので,混合速度を差し引きから求めることができる。 また混合状態を確認するために数値流体力学シミュレーションを行い,流路サイズや流束と混合速度の関係を定量的に整理していく。
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