2014 Fiscal Year Research-status Report
高温高圧水のコーク前駆体分散・水素供与効果に基づく温度勾配付与法による重質油改質
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26420778
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 剛史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60375524)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高温高圧水 / 水性ガスシフト反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高温高圧下での運転が可能な温度勾配付与型反応器を作製し、それを用いた温度勾配付与法による水素化改質プロセスの開発を目的としている。目的達成には、これを実現する反応器が必要となるため、初年度は温度勾配の制御が可能な高温高圧用反応器の設計と製作を行った。 まず、反応器の形状について説明する。反応管は長さ約300 mm、内径10 mmのステンレス製とし、上下に各1ヶ所、側面に各2ヶ所×6個の計14個のポートが存在している。そして、計5ヶ所のポート間には加熱・冷却ユニットが接続可能である。加熱ユニットには、高速加熱可能なカードリッジヒーターを挿入した熱伝導性に優れたアルミブロックを採用した。また、冷却ユニットには、循環冷却水の導入が可能なアルミブロックを採用した。これらを、反応管のポート間に接続することで、様々な昇温・降温パターンの設定が可能となるように工夫した。以上の説明に基づいた反応器を実際に作製した。これにより、反応器特定箇所での昇温・降温操作が行えるものと考えている。 また、水素化反応の基礎反応として、報告例がほとんどない高温高圧水中での固体触媒存在下での水性ガスシフト反応を行い、反応速度の水密度依存性を評価した。触媒として性質の異なる3種類の固体触媒を用いた。その結果、いずれの触媒を用いた場合でも400 ℃では水密度が低いほど反応が促進されることを明らかとした。実験結果を利用した反応モデル計算等により、本反応においては高水密度域にて水分子が触媒を被覆する影響が大きいと推察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来製作した反応器を用いた装置の試運転まで行い、次年度に本格稼働させる計画であった。しかし、これまでに無いタイプの反応器であり、その設計に時間を要したため装置の製作にとどまっているのが現状である。ただし、反応器製作という最重要課題は終えているため、目的に向かって着実に進行していることは確かである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度作製した反応器に、予熱部やポンプ・背圧弁を組み込み、実際に高温高圧条件下での処理も行う。当初は反応器下部からの流体導入のみを利用する予定であるが、場合により別の箇所からの流体導入の影響についても検討を進める。モデル物質を用いた反応器特性の検討を主に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
装置の製作までは終了したが、当初予定していた試運転を行うに至らず、それらに必要な消耗品購入に相当する金額を未使用のままとしたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した金額は、試運転にともなう装置配管作成部品等の購入に用いる予定である。
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Research Products
(1 results)