2016 Fiscal Year Annual Research Report
Base strength evaluation of solid base by temperature-programmed desorption using propylene as probe
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26420783
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松橋 博美 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70192341)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 昇温脱離 / 固体塩基 / プロピレン / 塩基強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前より,酸化マグネシウムやアルカリ土類金属酸化物,アルカリ金属担持金属酸化物,アミノ基を導入したメソポーラスシリカなど,多くの固体塩基触媒が報告されている。これらの固体塩基の塩基強度と塩基量の測定には,CO2がプローブ分子として使用されている。しかし多くの場合CO2と塩基点との相互作用は,表面の酸素イオンとの化学反応を経て炭酸イオンを形成する化学反応であるため,その使用には限界があった。 申請者は,固体酸の表面の酸点と不活性ガスが相互作用を持つことから,アルゴンをプローブ分子とする酸強度の測定法を考案し,昇温脱離のピーク温度から計算される脱離の活性化エネルギーと,室温付近での吸着から吸着熱を測定し,これらが固体酸の酸強度および酸量評価に有用であることを発表した。アルゴンの吸着熱による酸強度の研究成果は,適当なプローブ分子があれば,固体表面の塩基点についても塩基強度および塩基量の測定が可能であることを示している。アルゴンはそれ自信には全く塩基性がなく,正に分極した酸点によって分極が誘起され,酸塩基的な相互作用を持つようになり,その相互作用は水素結合であるとされている。この観点から,塩基点のプローブ分子としては非常に酸性の弱いプロトンを持つ分子が適当であると言える。 この考え方から,プロパン,プロピレン,イソブタン,イソブテンを候補とし,昇温脱離を行ったところ,プロピレンだけが塩基触媒活性と対応した脱離ピークを与えることが明らかとなった。数種の固体塩基に関し,脱離の活性化エネルギーを測定したところ,触媒活性と良く対応することが明らかとなり,塩基点評価に有効である事が分かった。
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Research Products
(2 results)