2016 Fiscal Year Annual Research Report
Low temperature oxidation catalysts based on the formation of effective boundary between noble metal and low-dimensional metal oxide
Project/Area Number |
26420790
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
冨田 衷子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 無機機能材料研究部門, 主任研究員 (70392636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多井 豊 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 無機機能材料研究部門, 研究グループ長 (20357338) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 貴金属 / 炭化水素 / 酸化触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水賦活処理を利用した界面制御方法を発展させて、低温酸化活性の高い貴金属触媒を構築することを目的とする。H28年度には、開発触媒を用いて、プロパン、プロピレン、トルエンの酸化活性評価を行った。 白金鉄アルミナ系開発触媒でトルエン酸化活性を評価したところ、約150℃以上でトルエンが酸化され、生成物はCO2のみであった。 プロパンおよびプロピレンの酸化には、白金担持アルミナ触媒で、助触媒に鉄とセリウムを使用し、熱処理後の性能を評価した。水賦活処理の有無、助触媒種類および助触媒量が、触媒物性及び酸化活性へ与える影響を調べた。 熱処理後の白金の金属分散度は触媒の処理方法および助触媒の量に依存した。助触媒に鉄を使用した場合、少量の鉄(白金と等モル程度)を含有させ水賦活処理を行うことで熱処理時の白金の金属分散度の減少を抑制でき、プロパン酸化活性が向上した。鉄量が多くなると、金属分散度は減少したがプロパン酸化活性は向上し、白金の5倍モル程度の鉄で極大になった。プロパン酸化の律速過程は、プロパンのC-H解離吸着とされている。鉄がプロパンのC-H解離吸着を促進してプロパン酸化活性が向上したと考えられる。実際に、白金への吸着エネルギーが元々大きいプロピレンの酸化活性は鉄によって促進されなかった。 助触媒にセリウムを使用した場合にも、少量のセリウム(白金の5倍モル程度)を含有させ水賦活処理を行うことで熱処理後の金属分散度減少を抑制でき、プロパンおよびプロピレン酸化活性が向上した。過剰のセリウムでは金属分散度は増加したものの酸化活性は低下した。この場合、セリウム上で白金が高分散するものの、白金が酸化されるために活性が低下したと考えられる。
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