2015 Fiscal Year Research-status Report
単鎖抗体の精密配向固定による反射干渉分光センサの超高感度化
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26420795
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊田 陽一 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (70452373)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 窒化ケイ素 / 単鎖抗体 / リフォールディング / 固定化 / 配向制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度にシーズとして発見した単鎖抗体のリフォールディング技術の確立について主に検討を行った。単鎖抗体は、大腸菌内で主に封入たいとして発現し、高原結合活性を有する活性型に構造変化させるための操作(すなわちリフォールディング操作)が必要となる。タグなし単鎖抗体は、大腸菌内で可溶化しやすく、N末端側にpelB reader シグナルを融合することでジャーファーメンターによって4g/Lもの生産性を達成することが鹿野であった。SiN-tagを融合した単鎖抗体(scFv-SiN)を大腸菌内で高発現させたところ、これまでのタグ付き単鎖抗体の結果と同様に封入体中に発現され、これらのリフォールディング操作が必要となった。前年度、タグ付き単鎖抗体の見かけの等電点を4~5付近となるようにC末端部にPoly D-tagを導入することで、リフォールディングにおける回収率を大幅に改善することを見出した。この現象の汎用性を証明するために、当研究室が保有する単鎖抗体12種類について、同様の現象が実施可能かを検討した。単鎖抗体の等電点は、それぞれのアミノ酸配列によって異なるが、おおむね6~8の範囲であり、ポリアスパラギン酸(D-tag)の導入によって見かけの等電点を4~6の範囲まで減少させることを見出した。これらをpH8.5の条件で透析リフォールディングを行うことで、回収率を90%以上に向上することが可能であった。これらの結果より、SiN-tag融合単鎖抗体の汎用的な生産技術を確立することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、得られたタグ付き単鎖抗体の生産技術・リフォールディング技術をもとに、これらをSiN基板上に固定化するための種々の条件検討を行う。さらにSiN基板を用いたRIfSセンサを用いて、固定化量の把握、さらには、SiN基板上における単鎖抗体の残存活性について定量評価を行う。
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Research Products
(2 results)