2014 Fiscal Year Research-status Report
パイロットモデルのオンライン同定を核とした小型機・無人航空機の安全性向上システム
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26420810
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
得竹 浩 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (80295716)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 操縦シミュレータ / ワークロード推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は実験環境全般の構築と,基礎的な実験を行った. (1)操縦シミュレータのセットアップおよび基本的なビークルダイナミクスの組み込み 市販のバーチャルリアリティ環境を援用して操縦シミュレーションのハードウェアの構築を行った.ノートPCで運動の演算を行い,ビークルからの視界をプロジェクターで投影する.オペレータの操縦入力は操縦桿,ステアリングホイールなど任意のUSBデバイスが使用可能である.さらに6自由度のビークルの運動方程式をプログラミングし操縦シミュレータに組み込んだ.運動パラメータの設定で,有人の航空機の操縦,無人機のオペレーション,地上走行車両の操縦など任意のビークルの操縦を模擬可能である. (2)操縦環境の組み込み 突風外乱をモデル化し操縦シミュレータに組み込んだ. (3)ワークロード測定センサの構築 心拍を計測しその変動からワークロードを推定するシステムを構築した.さらにアイトラッカーで眼球の動きを計測しワークロードを構築するシステムを構築した.心拍からのワークロード推定では,心拍変動をウェーブレット変換して低/高周波成分の比で推定する既存手法を採用した. (4)基礎的な操縦シミュレーション 外乱が持続的に印加される環境下での操縦シミュレーションを実施し,構築したシステムでワークロードの推定を行った.当該研究は有人航空機の操縦および無人機のオペレータが対象であるが,基礎的な試験として被験者の操縦経験のある地上走行車両を模擬したダイナミクスを採用した.そして操縦対象のダイナミクスを変化さるとワークロードの推定結果が変化することが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書において平成26年度は実験用シミュレータの構築,同定データの事前処理および切り分け手法の確立を行うこととした.この中で最も時間がかかると予想していたのは実験用シミュレータの構築である.平成26年度中にハードウェア,ソフトウェアの構築を行い,基礎実験により有意なデータが取得できることが確認できたので,実験用シミュレータの構築はほぼ達成した.オペレータ同定についての作業は未実施である.一方平成27年度以降に実施予定であったワークロード推定システムの構築を前倒しでH26年度に実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度前半に,平成26年度に実施予定であったオペレータ同定に関する作業を実施する.予定より半年遅れることとなるため,研究目的は変えずに,研究対象を被験者の確保が困難で評価試験の実施に時間のかかる有人機のシミュレータ試験ではなく,実験の実施が容易な無人機のオペレーションに限定する.しかし平成27年度以降に実施予定であった作業を一部前倒しで実施しているため計画の遅れは軽微である.
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