2014 Fiscal Year Research-status Report
刺しゅう技術を用いた構造繊維・機能繊維同時最適配置に関する研究
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26420811
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池田 忠繁 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40273271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙場 淳彦 名古屋大学, ナショナルコンポジットセンター, 助教 (60432019)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 構造・材料 / スマート構造物 / 複合材料・物性 / 解析・評価 / 構造・機能材料 / 航空宇宙工学 / 機械力学・制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能繊維として形状記憶合金(SMA)を選択し、例題として、片持ち板の特定の位置の変位を最大化するような構造繊維と機能繊維の最適配置法について検討を行った。有限要素法に基づき、SMA繊維は梁要素と仮定し、その配置を関数で表すことにより最適化計算を行い、その方法の可能性を確認した。ただし、材料定数には代表的な値を用い、SMA繊維の駆動は熱収縮によって模擬した。実際のSMAの変形は相変態で生じており、応力-歪み-温度関係が異なるため、定量評価に対しては更なる検討が必要である。 また、SMA繊維配置の実現方法として、構造繊維層の上に樹脂チューブを縫い付け、その中に予歪みを与えたSMA繊維を通す方法を試みた。構造繊維層は炭素繊維平織材とし、その上に樹脂チューブを縫い付けた後、エポキシ樹脂を真空樹脂含浸成形法で含浸し、平板状に成形した。予歪みを与えたSMA繊維に通電することで、SMA繊維が収縮し、板が曲げ変形することを確認した。 閉断面部材に対する繊維最適配置を実現するために、継ぎ目の位置に対する初期検討も行った。箱形梁の捩り問題に対する最適配置計算結果の約45度方向へ繊維を配置し、0度方向に継ぎ目を配置する場合と、繊維方向に沿って継ぎ目を配置する場合とで捩り剛性を比較した。数値解析では、継ぎ目で隙間ができ、樹脂の割合が多くなり剛性が低下する仮定した。その結果、0度方向に継ぎ目を配置する方法で性能が良くなる結果が得られた。継ぎ目長さが捩り剛性に影響を与えたためと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造要素、機能要素の材料特性評価は行えなかったが、構造繊維とSMA繊維の同時最適化手法を提案できたこと、また、その実現方法が確認できたこと、閉断面部材の継ぎ目配置に関する知見が得られたことから、概ね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
構造要素、機能要素の材料特性評価、SMAの変形挙動を考慮したモデルの導入を行い、最適化手法の妥当性の定量評価を行う。構造繊維配向をより高効率にするために、部分的な繊維の配置や二次元的な繊維の配置も検討する。また、閉断面構造に関しても、繊維配置法や継ぎ目の配置など引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
出張に行けない事情が発生したため、旅費の支出が予定より少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
構造材料、機能材料の特性評価試験用材料費および治具製作費などに使用する予定。
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Research Products
(1 results)