2014 Fiscal Year Research-status Report
スーパー・テザー(ベア導電テープ・テザー)の高信頼性伸展手法の確立
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26420817
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 裕矩 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30070650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草谷 大郎 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (40404941)
渡部 武夫 帝京大学, 理工学部, 講師 (40433180)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スーパー・テザー / 宇宙テザー技術 / テープテザー / 伸展性能 / 導電テザー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、通常のひも型導電テザーに比べ数倍性能が高くスーパー・テザーと呼ばれるベア導電テープ・テザーの、高信頼な伸展手法を総括し確立を図ることにある。宇宙新技術の一つであるテザ一技術は、軽量、長大、コンパクト性、自立的構築などの特長を持ち、また、燃料を必要としないきわめて経済的な宇宙輸送方法として、 今後重要な役割が期待される。 なかでも、 テープ状のテザー(スーパー・テザー)は、 先述のように通常のひも型テザーに比較してデブリ破断に対して強く、 導電性能も数倍良い。 本研究代表者と二人の研究分担者によるグループはこのスーパー・テザーの新たな伸展手法を開発し、多くの地上実験と観測ロケットによる宇宙実験によって手法の信頼性をほぼ確認した。さらに、今後の応用のために伸展時のメカニズムの推定をより詳細に検討するため、本研究では主にミクロな力学特性を重点的に検討している。これまでに、スーパー・テザー(ベア導電テープ・テザー)の伸展特性について、マクロな力学特性として、抵抗がないと考えた場合との定量的な差をとることによる測定方法で繰り出し抵抗を測定して、ここ数年の実験で多数の結果を得ている。 このうち、本研究では学問的にも実用的にも重要となる伸展長さの定量的な評価に重点を置いて研究を意欲的に進めており、ミクロな力学特性を高速度現象で解析し、これを従来の伸展特性実験装置による多数の実験データと比較を行っている。今までの注意深い実験により定量化できた例として伸展機構とテザーの収納状態を綿密に構成することによって定量化できる変数を発見したものがあげられ、これらの実験を重ねて行った。 さらに、移動目標物に識別マークをつける新しい手法を考案することによって高速度カメラによるミクロな力学的特性実験を可能とした。これらによって、実験データの取得を順調に行っており、所定の研究実績を上げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時間的にも空間的にもミクロな現象観察を行うことが出来るように、本研究においては主たる実験計測装置として高速度カメラを導入した。この際、高速度カメラによるテープ・テザーの移動を追跡するためのテザー上に識別マークを加える手法を新たに開発する必要があった。創意工夫によりこの手法の開発を行うことが出来、当初期待していたミクロな力学特性を把握する実験データの取得が可能となり、研究目的は順調に達成されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
高速度カメラによる実験データの取得は、幸いにいくつかの工夫を加えることにより可能になった。今後は、伸展長さの定量的な評価に重点を置いた高速度現象を理解するための実験をさらに進める。 また、伸展機構とテザーの収納状態を綿密に構成することによって定量化できる変数について、さらに、高速度カメラによる観察を加えたミクロな力学的特性に主眼を置いた実験データの取得を行う。今後これらの得られたデータを用いて、数学モデルの作成と実験による検証を交えて広い領域に渡ってパラメータの分布範囲を求める。 さらに、これらの例からテープ・テザーの接触点数・面積・曲げ部分の時間変化などのミクロな力学現象がデータに係る影響を定量的に検討する.
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Causes of Carryover |
研究分担者草谷大郎は本年度地上でのテザーの小型昇降(伸展回収)模擬試験装置を試作した。この装置は微細な調整を行う必要がある。このため次年度に、この試作装置の調整用部品金物等を購入するための使用額、15,086円が発生した。 また分担者渡部武夫は、本年度、テザーの伸展機構とテザーの収納状態の実験による検証を行っている。この実験については次年度、引き続き微細な調整を行っていくため、この調整用部品金物等を購入するための使用額、27,321円が発生した。 本研究では,本年度の経過を踏まえて翌年度も実験を継続していくものであり、事前に避けることが見込めない、そして研究を遂行するに必要な、若干の措置である。これらの結果,計画の工程変更までは要しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者草谷大郎は、本年度試作した装置の調整用部品金物等を購入するために使用する。また研究分担者渡部武夫が引き続きの行う実験については、本年度の検証装置において微細な調整を行っていくため、この調整用部品金物等を購入するために使用する。
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Research Products
(8 results)