2015 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
26420838
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
|---|
Principal Investigator |
田原 淳一郎 東京海洋大学, その他部局等, 准教授 (30280366)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 非線形同期 / LED / 可視光通信 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
ホタルの非線形同期を行うための回路作成と解析を行った。特に本年度はアナログ回路(以下、アナログホタル回路)からマイクロプロセッサを用いたマイコン回路(以下、マイコンホタル回路)への移行を目指して開発を行った。
マイコンホタル回路には、水中での減衰率が低い青色を非線形同期のクロックとした、データ送信部を緑色とした。なお、光源としてLEDとセンサーとして感度の良いフォトダイオードを使用した。その結果、非線形同期試験としては3台を同期させることが可能となった。また２台のペアでは非線形同期を使い、10bps程度のデータ転送が可能になった。
しかし、アナログホタル回路では６個程度の回路では同期が素早く起こるのに対して、マイコンホタル回路では、同期が発生するのは、３つが限度であった。この点についての考察を行ったところ、マイコンホタル回路ではサンプリングタイムが100mS程度である点が問題であることが理解できた。現在、サンプリングタイムとその影響について調査中である。
本問題の解析のため、高速な信号処理が可能なDSPシステムを応用すべくMatlabとSimulinkにて計測システムの構築に着手している。また、プリント基板加工機・３Dプリンターの改造を行いホタル同期試験回路の作成がスムーズに行える体制を確立した。
また、海域試験については本学所有の汐路丸での実施の為の予備調査を終えた。
本年度は、大学のポンド、船舶、ブイ等での海域試験を行う予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイコンホタル回路を作成し、同期試験が成功した。データ通信も可能となった。
また回路作成のツール群・測定システムの開発が上げられる。しかし、デジタルホタル回路ではアナログホタル回路に比べ同期がスムーズに行かない点や複数台での同期が困難であることが上げられる。しかしシミュレーション等では位相差を上手く使えば良い点が理解出来ため、今後の発展も期待できると考えられる。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後はマイコンホタル回路を4個以上で可能にすること。通信速度の向上を目指す。海域試験において同期試験・通信試験を行う。
Matlab Simulinkで加配初した試験装置を使い、複数台のホタル同期試験時における位相差を計測する。本条件をマイクロプロセッサにインプリメントし,複数台での同期と通信を可能にする。
また、海域試験を行い同期・通信の条件を調査する。
水中における防水技術は紫外線硬化型のエポキシ樹脂を使うことにより水密が可能であると考えられるため、今後は水中への適応を考える。
|
| Causes of Carryover |
本年度は、マイコンホタル回路の開発が順調に進んだため、国際会議への出張を２件行う計画を立て、旅費として、25万円ほど前払い請求を行った。しかし、都合により1件の国際会議となったので、前払い請求分の約25万円の差額が発生した。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度に繰り越し、国際会議参加費とする。
|
