2014 Fiscal Year Research-status Report
表層型メタンハイドレート採取容器の開発とその生成史の解明
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26420843
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 篤史 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10335333)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタンハイドレート / 非在来型天然ガス / 分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで行ってきた基礎実験をもとに日本近海の海底下にも存在するメタンハイドレートの生成年代評価を実施していくためには,未分解のメタンハイドレートの採取が必須となる.初年度はROV(遠隔操作無人探査機)により作業可能な高圧保持試料回収容器の開発を試みた.試料回収後の保圧ロックシステムなどのアイデアについて検討したほか,海底探査技術を持つメーカーと全体設計や試作についての議論を重ねたところ,研究当初に想定していた計画案では総重量の問題などでROVでの実用化が難しいことがわかった.一方,海底から採取されたメタンハイドレートには分解の進んでいる箇所と比較的保存されている箇所があることがわかってきたことから,従来の方法(例えばピストンコアラー)で採取されたメタンハイドレート試料から未分解部分だけを選択的に取り出す手法の開発へ内容を変更し,研究を進めることにした.高圧容器において合成したメタンハイドレートの温度を保持ながら減圧することで,海洋調査で回収するメタンハイドレートの模擬試料を準備した.模擬試料の準備に最適な減圧速度についての検討を実施した.高圧下での模擬試料の分解する様子の観察をすすめるため,内部観察できるガラス製の高圧容器を用いた観察システムの構築を行った.今後,模擬試料の分解の様子を観察し,分解した箇所と未分解の箇所の選別をすすめることで,未分解試料のみ選択的にとり出す手法の開発を進めるとともに,本手法の優位性について検討を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では,初年度に高圧保持試料回収容器の開発を終え,試作器の作製を完了している計画であったが,研究実績の概要でも述べた通り,試作器の開発に成功してもその運用が困難であることが明らかとなったため,当初計画を見直す判断をした.並行して行っていた研究で,海洋調査で採取した表層型メタンハイドレートの内部構造に関する研究から,表層型メタンハイドレートを採取すると,一部は未分解に近い状態で保存されていることが判明したため,この未分解試料のみを分別して採取できれば,研究の最終目標であるメタンハイドレートの生成史の評価が可能になるものと予想される.そこで,研究内容を未分解メタンハイドレートの分別回収技術の開発とし,研究開発を進めてきた.このような経緯から,現在までの達成度は当初計画に比べてやや遅れ気味となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
表層型メタンハイドレートを従来方法で採取した模擬試料の準備には目処がついたため,これを用いた分解挙動の観察をすすめ,未分解部分のみの回収技術として適切な方法を模索したいと考えている.現在の計画では,高圧容器内でメタンハイドレート部分を分解させず,氷のみを融解させ,容器全体を回転させることで試料に付着した分解水を脱水することで,未分解メタンハイドレートの回収をすすめる予定である.高圧容器メーカーならびに遠心分離技術を持つメーカーともすでに議論を始めており,装置の実現は可能である見通しとなっている.
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Causes of Carryover |
高圧保持試料回収容器の試作を行うという当初計画を見直し,特殊高圧容器の試作を断念したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の経費とあわせ,新しく開発を進めている未分解メタンハイドレート試料回収装置の開発と作製に使用する.
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Research Products
(6 results)