2015 Fiscal Year Research-status Report
都市環境型 制御フリー集風ケーシング付高出力垂直軸風車の実用化
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26420846
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| Research Institution | Kurume National College of Technology |
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Principal Investigator |
谷野 忠和 久留米工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (70352367)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 再生可能エネルギー / 抗力型風車 / 垂直軸風車 / 風力発電 / 数値解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，都市環境でも利用可能な低回転・低騒音の垂直軸抗力型(クロスフロー)風車の高出力化とその実用化を目的として，風車流れを最適化し，飛躍的な出力向上が期待できる機械制御が不要な集風ケーシング（二偏流板ケーシング）を提案し，この集風ケーシングを付加したクロスフロー風車の実用化に向けた研究を実施するものである．すなわち，提案するケーシング付風車の実用化を視野に入れ，これまでに検討した供試風車に加え，スケールアップした風車についても検討し，風洞実験（EFD）および数値実験（CFD）による流れ場と出力性能の評価を行う．また，これらの結果を考察し，二偏流板ケーシング付風車の実用化の有効性を明らかにする．
風洞実験による性能評価について，前年度の検討から，3Dプリンタによる供試模型の成形が確認できたため，2種類の供試風車の製作を行った．1つは，これまでの検討で用いたアルミ合金製の翼を持つ代表直径100mmの風車と同寸法の風車であり，もう1つは，実用化に伴うスケールアップの影響を確認するために代表直径を1.5倍の150mmとして新たに製作した風車である．これらを用いて，風車単体および2枚の偏流板付風車の風洞実験による出力性能試験を行った．これまでにスケールアップにより風車単体の出力性能は改善され，加えて予備検討ではあるが，2枚の偏流板の付加により，1.5倍の風車も出力性能が向上することを確認した．
数値実験による流れ場と性能の評価について，前年度に性能評価もできることを確認したオープンソース数値解析ソフトウェアを用いて，2枚の偏流板付風車の数値解析を実施した．これまでに，代表直径100mmのクロスフロー風車について，2枚の偏流板の位置が風車軸周りに変化した複数の条件の数値解析を行った．実験による出力性能と比較して，その妥当性を確認した上で， 2枚の偏流板の効果を流れ場から評価した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
風洞実験による性能評価について，3Dプリンタでも供試風車模型の成形が可能であることが確認できたため，3Dプリンタを用いて，2種類の供試風車を製作した．供試風車の1つは，これまでの検討で用いたアルミ合金製の翼を持つ代表直径100mmの風車と同寸法のクロスフロー風車であり，もう１つは，実用化に伴うスケールアップの影響を確認するために，代表直径を1.5倍の150mmとした供試風車である．これらを用いて，クロスフロー風車単体および2枚の偏流板を付加した風車について，風洞実験による出力性能試験を行った．
これまでに，小型のクロスフロー風車は，スケールアップにより風車単体の出力性能は改善されること，および，代表直径100mmで用いた偏流板を1.5倍の風車に流用した予備検討ではあるが，2枚の偏流板の付加により，1.5倍の風車も出力性能が向上することを確認した．
数値実験による流れ場と性能の評価について，流れ場の傾向だけでなく性能評価も可能であることを確認したオープンソース数値解析ソフトウェアを用いて，代表直径100mmのクロスフロー風車について，2枚の偏流板付風車の数値解析を実施した． 27年度の検討において初期に作成した計算格子の歪みが計算結果を不安定にしていたことなどが新たに確認できたため，再度，計算格子を作成し，風車単体および2枚の偏流板付風車の数値解析を実施した．偏流板付風車については，2枚の偏流板の位置が風車軸周りに変化した複数の条件の数値解析を行った．
これまでに，流れ場の評価から，2枚の偏流板は基準の状態から±15度の範囲であれば，どちらか一方の偏流板の流れ場改善効果が大きくなり，その結果，風車の出力性能を約1.5倍向上させ，風向変化の影響が低い可能性が確かめられた．また，現在，前述の風洞実験の条件に合わせた1.5倍の風車の数値解析の準備を行っているところである．
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| Strategy for Future Research Activity |
風洞実験による性能評価について，新たに製作した寸法が1.5倍の代表直径150mmの風車について，偏流板寸法も同様に1.5倍にして風車に付加した場合の出力性能試験を実施し，偏流板の出力改善効果の評価を行う．また，より出力改善効果が得られる各偏流板の配置についても検討する．さらに，スケールアップの方法も追加して検討する予定である．すなわち，単純なスケールアップではなく，代表直径は1.5倍とするが，翼型の寸法は1.5倍とせず，翼枚数を増やしてスケールアップした供試風車を製作し，それらの比較から，二偏流板ケーシング付クロスフロー風車の実用化の検討を行う．
数値実験による流れ場と性能の評価について，代表直径を1.5倍とした2種類のクロスフロー風車の数値解析を実施し，風車単体および2枚の偏流板を付加した風車の流れ場および出力性能の評価を行う．
また，風洞実験および数値解析それぞれの結果を評価し，実用化を視野に入れて，スケールアップした場合の二偏流板ケーシングの出力改善効果について考察する．すなわち，実用的な規模の大きさまでを含めた二偏流板ケーシング付クロスフロー風車の出力性能と寸法（レイノルズ数）の関係を確認し，実用化の可能性も含め，研究結果を総括する．
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| Causes of Carryover |
現在までの達成度でも述べた通り，おおむね順調に進展しているが，風洞実験に関わる部分については，風車寸法をスケールアップした供試風車について，偏流板についても同様に寸法を大きくした場合の検討が残っている．この点は，数値解析において，偏流板の位置を風車軸周りに変化させた場合の計算過程で，計算格子の歪みの影響が明らかとなり，再計算を行うなどに時間を要したためであるが，予備検討までは進んでおり，今年度前半中には実験結果が揃い，スケールアップに伴う偏流板の効果をまとめられる計画である．また，今後の研究の推進方法にも述べた通り，新たにスケールアップの方法についても検討する予定であり，そのための供試風車の製作などが必要となっている．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述の理由に述べた通り，初年度の助成金に繰り越しが生じているが，繰り越し相当額（約3.7万円）については，供試風車のスケールアップに伴う二偏流板ケーシングを構成する偏流板の製作および，異なる方法でスケールアップした供試風車の製作の一部に充当する計画である．
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Research Products
(2 results)
