2015 Fiscal Year Research-status Report
磁場閉じ込め核融合プラズマにおける磁場遮蔽効果の実験則の確立
Project/Area Number |
26420858
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
榊原 悟 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (90280594)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ヘリカル装置 / 巨視的不安定性 / MHD平衡 / 磁気島 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁場閉じ込め核融合炉において高いプラズマ性能を定常維持するためには、乱れのない磁場構造を維持する必要がある。しかしながらコイル設置の精度の低下等によって誤差磁場(摂動磁場)が存在する場合、その程度によっては不安定性を励起し、プラズマを崩壊させる現象が観測されている(ディスラプション)。また近年では、不安定性を制御するために摂動磁場を積極的に用いられており、摂動磁場に対するプラズマ応答について世界中で研究が進められている。本研究ではヘリカルプラズマを対象として摂動磁場に対するプラズマ応答を調べ、摂動磁場に対する許容値に関するトカマク、ヘリカル共通の実験則を確立することを目的としている。これまでの研究では、摂動磁場に対する遮蔽閾値がプラズマパラメータのみならず磁場配位(磁気シア、磁気丘等)に依存していることを実験的に明らかにした。本年度は大型ヘリカル装置において、遮蔽閾値のプラズマパラメータに対する依存性について調べた。トカマクでは、遮蔽閾値は電子密度に対して正の相関を持つことが知られているが、今回の実験では、電子密度に対する依存性が磁場配位を変化させることにより正から負に変化することを明らかにした。本現象はトカマクの実験則とは大きく異なることから、従来の実験則を用いてヘリカルプラズマで観測される特性を説明することができず、新しい知見である。今後はさらにプラズマ流や詳細なプラズマ分布構造を調べることにより、物理機構の解明を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は昨年度に引き続きソフトウェア、データ処理装置の充実を図った上で実験を遂行した。結果として他装置とは異なる新しい実験的知見を得ることに成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き実験データのデータベース構築に努める。また、トカマクとの直接比較実験を共同研究を通じて行い、実験則構築に加えて摂動磁場遮蔽閾値に対する物理機構の解明を目指す。 研究内容については、論文誌投稿、国内外での学会発表を行い、広く社会、国民に発信する。
|
Causes of Carryover |
当初計画よりも物品を安く購入することができたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金と合わせて計測機器に必要とされる物品を購入予定。
|
-
[Journal Article] Characteristics of MHD instabilities limiting the beta value in LHD2015
Author(s)
S.Sakakibara, K.Y.Watanabe, Y.Takemura, M.Okamoto, S.Ohdachi, Y.Suzuki, Y.Narushima, K.Ida, M.Yoshinuma, K.Tanaka, T.Tokuzawa, I.Yamada, H.Yamada, Y.Takeiri and LHD Experiment Group
-
Journal Title
Nuclear Fusion
Volume: 55
Pages: 083020-1~6
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
-