2014 Fiscal Year Research-status Report
触媒担体のカチオン操作による水素同位体交換容量の制御に関する研究
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26420859
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
河村 繕範 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究主幹 グループリーダー (10354614)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 増殖ブランケット / トリチウム / 水素同位体交換反応 / 親水性触媒 / モルデナイト型ゼオライト / カチオン交換型モルデナイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、核融合炉固体増殖ブランケットで生成されたトリチウムを回収する方法の一つとして、親水性交換触媒による水分吸着及び同位体交換プロセスの適用を検討する上で、トリチウムインベントリーの少ない親水性交換触媒創生の可能性について明らかにしようとするものである。 本研究では水分保持量が比較的少ないモルデナイト型ゼオライトを出発物質としてカチオン交換を行い触媒担体とし、これに白金を担持させて触媒とする。初年度である平成26年度は1族のイオンに着目した。本研究の元になった研究では、Li交換型モルデナイトは表面水酸基を保持する傾向、K交換型モルデナイトは細孔径が縮小する傾向が認められている。そこで、出発物質に含まれる交換カチオンNaのほか、LiとKで各々交換した材料を担体とし、塩化白金酸塩酸を使用して含浸法で白金を担持させ試料とした。 実験は、一定温度(30―80℃)に保持した試料充填層に、トリチウム水蒸気と水素を含むヘリウムガスを導入し、流量を変数として定常状態での充填層出口のガス組成を観察するもので、総括反応に擬1次反応を仮定してデータの解析を行い、反応速度の比較の指標として総括反応速度定数を得た。担体としたモルデナイトの交換カチオンの違いによって、白金を担持させた時の反応速度に差異が生じることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度下期の人事異動に伴い、配置転換となった。現部署にて同種の実験を行うことは設備上も職務上も困難である。旧部署には兼務がかかっており、その範囲でしか実験を進めることができなくなった。そのため実験が計画どおりに進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、研究組織を変更する。研究代表者は試料の調整と物性測定を担当し、交換反応実験を分担者に依頼する。これまで連携研究者として指導をいただいていた秋田大学宗像教授に研究の分担を依頼し承諾を得た。ただし、トリチウムを用いた実験の継続は難しく、水素ー重水素系のコールド試験を主とし、規模を縮小して対応する。
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Causes of Carryover |
年度途中での人事異動に伴う部署や職務の変更で、実験計画を変更せざるを得ず、当初の計画に沿った執行ができなかったために繰り越しが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画では、試料調整、一部の物性測定から実験解析まで自ら実施する予定であったが、困難となったため、次年度に研究組織を変更し、実験は分担者に依頼し、現場作業としては試料の調整と物性測定を主に担当する。物性測定は可能な範囲で外注する。
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