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2014 Fiscal Year Research-status Report

神経栄養因子BDNFのノンコーディングRNAの分子機能に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26430032
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

小島 正己  独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究グループ長 (40344171)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
KeywordsアンチセンスRNA / BDNF / 精神疾患 / 転写制御 / 神経細胞
Outline of Annual Research Achievements

ゲノム上から数万種類のノンコーディングRNAが転写されていることが2005年に報告されて以来、ノンコーディングRNAの研究は重要な生命科学の1分野となった。しかし脳疾患と関連する報告はまだ少なくその進捗が待たれている。応募者が作製した神経栄養因子BDNFのプロセッシング障害マウスはうつ様症状など興味深い表現型を示すが、予想外にもBdnfアンチセンスRNAの発現上昇がみられた。現在8種類のスプライシングバリアントをクローニングした。その配列には初期の文献(Katayama et al. , Science, 2005)にも見出されているようなアンチセンスRNAの特徴が見出された。例えば、それらのアンチセンスの配列の一部がBDNFタンパク質のコーディング領域やノンコーディングエクソンの相補配列であること、またイントロン領域や隣接遺伝子との間の配列と一致するといったような構造の多様性がみられた。
本研究では、BDNFアンチセンスRNAを新たな精神疾患の病態分子と仮定し、その細胞機能の解析、時空間的な発現変動、他の精神疾患モデル動物やヒト死後脳標本を用いBDNFアンチセンスRNAの発現量・発現領域と病態の関係を明らかにする。現在、同定したアンチセンスRNAを神経細胞に発現させた際の細胞の形態変化、BDNF mRNAとタンパク質の発現量変化の解析、またBDNFは神経活動依存的に生産・分泌されるが、神経活動を変化させた際のアンチセンスRNAの動向を解析中である。今後は神経疾患モデル動物での発現量変化なども解析する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度は主に培養神経細胞を用いた解析を行った。アンチセンスRNA発現ベクターの導入し、ELISA・ウエスタンブロット法、定量RT-PCR法によって、内在性のBDNF mRNA・アンチセンスRNA、BDNFタンパク質の定量解析を行った。定量PCRの解析は安定して結果が得られるまでに至ったが、BDNFタンパク質については微量のため安定した結果を得るのが難しく条件検討中である。また、培養神経細胞における内在性アンチセンスRNAの細胞内局在も非常に微量のため、現在in situ hybridizationの条件検討中である。
アンチセンスRNA発現ベクターの導入した神経細胞の各領域(シナプス、樹状突起、軸索など)マーカーの抗体を用いた神経細胞の形態への影響や細胞死への影響の解析については現在条件検討中である。また神経活動時におけるセンス/アンチセンス比については条件が決まってきており今後解析していく予定である。
アンチセンスRNAのsiRNA発現ベクターについては誘導型のベクターを作製し培養細胞で条件検討を行った。発現量は半分以下に抑えられた。現在は培養神経細胞を用いて条件検討を行っている。
マウス脳組織を用いたBDNFアンチセンスRNAの時空間的分布を解析については、in situ hybridizationの実験系は安定しているが、アンチセンスRNAの発現量が元々非常に低いことと特異的な配列長が短いため、S/N比が低い結果しか得られていないが、一部のアンチセンスRNAについては発現細胞がBDNF mRNAと同じである等の予備的知見は得られた。

Strategy for Future Research Activity

今後は、アンチセンスRNA発現ベクターを導入した培養神経細胞のBDNFタンパク質の定量解析については、より感度の高い特異的抗体やELISAキットを購入し検討する予定である。内在性アンチセンスRNAの細胞内局在解析についても高感度のプローブの導入を検討している。また、アンチセンスRNA発現ベクターの導入した神経細胞の各領域(シナプス、樹状突起、軸索など)マーカーの抗体を用いた神経細胞の形態への影響や細胞死への影響の解析については各種マーカーが揃ってきているので解析を進めていく。また神経活動時におけるセンス/アンチセンス比については条件が決まってきており今後解析していく予定である。更に培養神経細胞へのproBDNF, BDNF処理によるアンチセンス・センスRNAの変化も併せて解析する。 アンチセンスRNAの誘導型siRNA発現ベクターを培養神経細胞に使用する際には、導入時期・誘導時期から検討する予定にしている。
マウス脳組織を用いたBDNFアンチセンスRNAの時空間的分布を解析については、現在成獣を用いて条件検討を含めた解析を行っているが、発生・発達時期を追った組織を作製し同様に解析していく予定である。
更に、疾患モデル動物を用いてアンチセンスRNAの発現量や局在も併せて解析を行っていく予定である。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は、使用消耗品が想定見積もり以上に安く購入できたことが次年度繰越の大きな理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度に繰り越した予算を効率よく活用し研究の進捗を行う予定です。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 分子細胞病態研究特別チーム

    • URL

      https://unit.aist.go.jp/biomed-ri/en/group/subject1/Molecular_and_Cellular_Pathology_Research_Team06/index.html

URL: 

Published: 2016-05-27  

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