2016 Fiscal Year Annual Research Report
A retinal circuit explains the novel visual function
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26430041
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
星 秀夫 東邦大学, 医学部, 助教 (30568382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 修 東邦大学, 医学部, 講師 (20459762)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 網膜 / 神経節細胞 / ギャップ結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下2つの仕事を行った.①論文投稿,②新たな実験手技についての学会報告である.①昨年度までに明らかにした形態学的な結果を論文投稿し,現在審査継続中である.私達は,目的の神経節細胞が直接,同サブタイプの神経節細胞とtracer couplingすることを明らかにした.そのギャップ結合にはCx35/36が寄与しており,両者の樹状突起の交叉部近くには,ドーパミンD1受容体(D1R)が局在していた.以上の結果から,網膜で放出されるドーパミンがD1Rを介して,ギャップ結合の開閉を調節しているものと示唆した.しかしD1Rのアゴニスト,アンタゴニストを用いた薬理学的実験を行ったが,顕著な差を得ることができなかった.私達は,この結果から,実験を行う際の光環境(明所・暗所)やサーカディアンリズムを考慮する必要があることを示唆した.②本研究では,細胞内色素注入に用いる逆行性標識標本を作製する目的で,一晩リンガー液に浸漬した網膜を用いた.既にウサギ網膜神経節細胞から光応答が記録できる実績があるため(Hoshi et al., JNS 2009; JCN 2013),同方法を冷血動物のキンギョに適用した.キンギョは粘性に富む硝子体液を持つため,目的の細胞にガラス電極を近づけることが非常に困難で,全載標本を用いての神経回路網の研究がこれまでほとんど進んでいなかった.本研究では,過去誰も除去することができなかった粘性に富む硝子体液の除去に成功し,さらに細胞内色素注入法を用いた形態学的神経回路網の研究を可能とした.この手法を用いて,目的の神経節細胞とGABA作動アマクリン細胞とのシナプス結合様の結果を得た.しかし,GABAの動態は細胞の状態でかなり変化するため,今後,リンガー液に浸漬した網膜におけるGABAの動態を詳細に調べる必要がある.①の示唆と併せ,これらの研究も次の実験計画に組み込む予定である.
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Research Products
(2 results)