2014 Fiscal Year Research-status Report
大脳皮質の成体神経新生によって新しく産まれた抑制性神経細胞の機能解剖学的解析
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26430044
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大平 耕司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 准教授 (80402832)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 成体神経新生 / 神経前駆細胞 / 大脳皮質 / 抑制性神経細胞 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究により、成体の哺乳類の大脳皮質において神経前駆細胞が存在しており、薬剤や脳損傷に反応して、新しい神経細胞を産生することが明らかとなってきている。本研究の目的は、成体大脳皮質で新しく産生された抑制性神経細胞について機能解剖学的解析と生理学的解析を組み合わせることにより、新生神経細胞が神経回路内でどのような結合様式を持ち、どのような電気生理学的特性を有しているのか明らかにすることを目的としている。 初年度は、新生した神経細胞の3D-SEM解析を行うことにより、細胞体、樹状突起、シナプスレベルの微小構造に到る形態学的な性質を明らかにすることを目的として、その条件検討を行った。3D-SEMは、生理学研究所の∑igmaを使用した(生理研村田准教授との共同研究)。その結果、1)マウス脳の固定液は、0.15M カコジル酸バッファーを用いること、2)Durcupan を用いて樹脂包埋を行うこと、3)FijiとTrakEM2で3Dリコンストラクトを行うことにより、新しい神経細胞の3D-SEM解析が可能になることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度については、3D-SEMを行う条件が決定できたので、順調に研究が進展している。その他の解析については、順次解析を開始し進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
大学を移動したことに伴い、研究室のセットアップを早く終えることができるよう最大限努力し、実験を継続できるようにする。 3D-SEM解析については、初年度で見つけた実験条件をもとにして解析を進めていく。 ウイルスベクターに変わる遺伝子導入システムの確立を次年度には確立し、それをVenusトランスジェニックマウスに適応することで、新しい神経細胞の機能的神経回路について解析を行う。 電気生理学的解析については、上記の遺伝子導入システムを構築し、それを利用して実施する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は、実験条件の検討を主に行ったために、スケールを小さくして行った。そのために、使用額が当初の予定よりも小額になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大学を移動したことにより、実験室や足りない機材のセットアップに使用する。
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