2017 Fiscal Year Annual Research Report
To reveal the mechanisms of cell-lineage dependent coritcal neural circuits formation during postnatal development
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26430047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足澤 悦子 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (00446262)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経回路 / シナプス結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、知覚機能向上に伴う大脳皮質微小神経回路の形成基盤の解明である。これまでの研究で、マウス大脳皮質バレル野4層の興奮性神経細胞間に、細胞系譜に依存した双方向性結合が高い割合で形成されることを明らかにしていた。この微小神経回路を研究対象とすることで、大脳皮質における微小神経回路が形成される分子基盤を明らかにすることを目標とした。まず細胞系譜依存的に形成される双方向性シナプス結合がどのように発達し完成するかを明らかにするために、生後大脳皮質感覚野におけるシナプス形成が盛んになる9日から11日、マウスの目が開き、探索行動が盛んになり始める生後13日から16日、成獣に近づく生後18日から20日の3つの発達段階において、4層の星状細胞にダブルホールセル記録を行い結合様式を検証した。その結果、異なる3つの発達段階があることが明らかになった。第一段階は、生後9日から11日の間に起こる一方向性結合の増加、第二段階は、双方向性結合の増加、第三段階は、一方向性結合の減少が観察された。また、本研究には、蛍光タンパク質を発現するiPS細胞を野生型マウスの胚盤胞に移植することでキメラマウスを作製し、大脳皮質における興奮性神経細胞の細胞系譜を可視化していた。近年、iPS細胞においてその樹立過程で遺伝子に変異が入ることが報告されていたため、複数のiPS細胞のラインを用いて、同様の検証を行った結果、どのラインにおいても同様に細胞系譜依存的に形成される双方向性結合を検出することができ、観察結果がiPS細胞におきる遺伝子の変異が原因ではないことを確かめた。最終年度は、初年度から明らかにしてきた細胞系譜依存的な双方向性結合の発達様式が生後の感覚入力の影響をどのように受けるかを検証するために、新奇で豊かなマウス飼育施設および感覚向上を計測するための行動解析装置の準備を行った。
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