2016 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病態に好発するうつ病の分子病態メカニズムと速やかに臨床応用可能な治療法の解明
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26430062
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮田 茂雄 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40366836)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / うつ病 / 情動行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までと同様に、ストレプトゾトシン(STZ;200 mg/kg)を尾側静脈内投与することで糖尿病モデルマウスを作製した。溶媒である生理食塩液を同様に処置したものを健常対照群とした。STZおよび溶媒処置後5日目および12日目に血糖値を測定した。STZ処置マウスは処置後5日目において3群に分割し、1群には血糖値を下げる用量のインスリンペレットを(H-ins群)、1群にはその半量のインスリンペレットを(L-ins群)、残りの1群にはインスリンを含まないコントロールペレットを背部皮下に挿入した(DM群)。なお、溶媒対照群にはコントロールペレットのみを挿入した(Non-DM群)。STZおよび溶媒処置後13日目において、マウスの自発運動量を測定した。加えて、STZおよび溶媒処置後14日目において、尾懸垂試験により無動時間を測定した。実験終了後、脳を摘出し、-80℃で保存した。 DM群はNon-DM群と比べて有意な血糖上昇を示した。インスリンの用量依存的に血糖値は低下し、H-ins群の血糖値はNon-DM群とほぼ同等であった。L-ins群の血糖値はDM群と比べて低い傾向はあるものの、Non-DM群と比べて有意に高い血糖値を示した。DM群の自発運動量はNon-DM群と比べて有意に高かった。インスリンは用量依存的に自発運動量を低下させ、H-ins群の自発運動量はNon-DM群とほぼ同程度であった。DM群の無動時間はNon-DM群と比べて有意に増加していた。L-ins群およびH-ins群の無動時間はDM群と比べて有意に減少しており、Non-DM群とほぼ同程度であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データがまとまり次第、論文を作成し、速やかに投稿する予定である。補助期間の延長により対処する。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病モデルマウスの内側前頭前皮質における機能変化を明らかにするため、摘出した脳組織中における代謝物などを網羅的に解析する計画である。解析結果を踏まえ、病態の特定と今後の展開を考察する。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅れが生じてしまい、年度末までに学会発表ならびに論文作成までに至っていない。補助期間を延長して対処する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に使用する動物および消耗品を購入する。また、学会出張費用、英文校正費用、論文投稿料に使用する。
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