2014 Fiscal Year Research-status Report
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26430063
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山崎 博幸 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10334137)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 樹状突起スパイン / ドレブリン / 核 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写調節因子であるspikarはホルモン受容体等の核内レセプターと結合して、転写を活性化することが分かっている。また、神経細胞では転写調節の機能の他に、樹状突起スパイン形成を促進する機能を持つ。Spikarは細胞質と核に存在するが、スパイン形成促進機能については主に細胞質での働きだと考えられている。これまでの研究から、spikarのスパインでの局在にはドレブリンの存在が強く影響しているが、ダイナミクスへの寄与は分かっていない。GFP-spikar及びその変異体を培養神経細胞に導入してスパインに限局してフォトブリーチングを行い、タイムラプス撮影を行って蛍光の回復過程を記録した。その結果、以下の事が明らかになった、1)核移行シグナルに変異を加えて核移行の機能を阻害するとspikarはスパインに安定に局在する。2)ドレブリン結合領域を欠失したspikar変異体は動きが速く、またスパインでのstable fractionはすくなかった。3)ドレブリンノックダウン細胞では、核移行シグナル変異体においてもstable fractionは少なくなった。これらの事から、spikarのスパインにおけるダイナミクスにはドレブリンと核移行シグナルが重要だと明らかになった。また、spikar結合タンパク質の1つである低分子量GTPase結合タンパク質が樹状突起スパイン形成を抑制するという働きを持つという事から、このタンパク質とspikarの相互作用の解析を行った。現在のところ、このタンパク質はspikarのN末端領域及びC末端領域に結合することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他の研究機関からspikar結合タンパク質の1つである低分子量GTPase結合タンパク質がアルツハイマー病に関連している事やスパイン形成を抑制しているという報告があった。このため、従来の予定であった他のspikar結合タンパク質群の解析より、このタンパク質及びドレブリンとの関係についてさらに注目して研究を行うことにした。このため、spikar結合タンパク質群の系統的な解析は遅れているが、ドレブリンによるspikarの樹状突起スパインにおけるダイナミクスへの関与を明らかにする事ができた。また、spikar結合タンパク質の1つである低分子量GTPase結合タンパク質が、spikarのN末端領域及びC末端領域に結合することが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
Spikarの神経細胞内での機能を明らかにするために、結合タンパク質群との相互作用の解析を進める。低分子量GTPase結合タンパク質との関係を中心に進める予定であるが、適宜他のタンパク質との相互作用解析についても行う。また、spikarノックアウトマウスを用いてin vivoでの解析や行動解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
Spikar結合タンパク質の一つである低分子量GTPase結合タンパク質が樹状突起スパイン抑制に働いている事やアルツハイマー病に関連しているという報告がなされたため、この分子の解析やもっと基本的なspikarのスパインでの動態解析を行った。そのため当初の予定だったspikarとspikar結合タンパク質群との系統的な相互作用解析を次年度に持ち越したため、この分の予算が次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の計画であるin vivo解析やノックアウトマウスの解析に加えて、spikarとspikar結合タンパク質群との系統的な相互作用解析を培養神経細胞を用いて行う予定であり、このための試薬等を購入する予定である。
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