2015 Fiscal Year Research-status Report
Notchシグナル活性化による骨代謝制御と骨肉腫発症の分子メカニズムの解明
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26430094
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中山 ゆかり (六車ゆかり) 東海大学, 医学部, 助教 (80398750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八幡 崇 東海大学, 医学部, 准教授 (10398753)
安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Notchシグナル / Delta-like 1 / Jagged1 / 骨代謝 / リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
Notchシグナルは、器官形成や幹細胞の運命決定、および、組織の代謝といった生物の恒常性を維持する発生学的に保存されたシグナル伝達経路である。本研究の目的は、Delta-like 1(Dll1)とNotchの結合によるシグナルの活性化が、間葉系幹細胞(MSC)から骨芽細胞への分化の決定と機能的成熟、および、骨芽細胞の形成と機能をどのように制御しているかを分子生物学的に解明することである。 【結果】 <Dll1 Tgマウスの骨吸収機能> これまでの研究により、骨芽細胞特異的にDll1を発現するマウスでは骨吸収が著しく低下していることが明らかとなった。その原因を明らかにするために、Dll1マウスと同腹対照マウスの間で、破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分化能力を培養実験で解析したところ、差は確認できなかった。一方、骨芽細胞との共培養で形成される破骨細胞の数は有意に減少しており、相互作用の異常が示唆された。そこで、骨芽細胞が産生する破骨細胞の形成を誘導するサイトカインであるRANKLの量を調べてみると、Dll1マウスの骨芽細胞における減少が明らかとなった。よって、Dll1マウスの骨吸収低下は、破骨細胞前駆細胞自体の異常に起因するのではなく、骨芽細胞の機能不全による2次的異常てあることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、モデルマウスを用いて破骨細胞の形成と機能の解析を行った。骨肉腫とNotchシグナルの関係は解析途中であるが、現時点で明らかとなった結果を基に論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の前半までに論文を投稿し、今年度中に論文発表予定である。現在進行中の骨肉腫モデルの解析を進める。
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Causes of Carryover |
次年度早々に購入が必要な消耗品が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文投稿中であるので、投稿費、論文掲載費、別刷り発注費用などの成果発表に使用する予定である。
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