2014 Fiscal Year Research-status Report
ヘルペスウイルス潜伏感染マウスモデルを用いたアルツハイマー型認知症発症機構の解析
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26430096
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 聖一 福岡大学, アニマルセンター, 准教授 (30264344)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / ヘルペスウイルス / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
ADモデルマウスであるPS2マウスを用いてPRV潜伏感染を行う。一般的に用いられているADモデルマウスでは生後12ヶ月以降でβアミロイドの沈着が認められるが、PS2マウスは生後2~4ヶ月で認められるとのことから実験を計画した。しかし実際はTG2576とのダブルTGが必要とのことで計画を変更した。PRV潜伏感染モデル系では潜伏感染確立に2ヶ月を要するためダブルTGの利用は試験期間を短縮するために大変有効である。PS2とTG2576を交配させて産仔を得、ジェノタイピングテストによりダブルTGを選抜してその雄を潜伏感染試験に供した。潜伏感染は2ヶ月令マウスにブタ抗PRV血清を前投与し、30分後にPRV野外株YS-81で攻撃、2カ月以上生残したマウスを潜伏感染マウスとして実験に使用した。潜伏ウイルスの再活性化誘導は塩化アセチルコリン(2.73mg/マウス)を腹腔内接種し、アセチルコリン投与翌日から鼻腔スワブを採取してDNAを抽出、gG遺伝子に対するPCRを行ってウイルス排泄の有無を確認する。なお、試験には一群あたり5~10匹のマウスを使用する。対照群としてPS2マウスの親系統であるC57BL/B6マウスを用い、以後もダブルTGと同様の試験を行うものとする。対照マウスは一群5匹で試験を行う。現在ダブルTGの潜伏感染群を作製したところであり、引き続き試験を続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試験目的にダブルTGが必要であるという情報を科研費獲得後に入手したためスタートが遅れた上に、ダブルTGに作出に必要なTG2576マウスが輸入品であったため導入に必要な手続きに期間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
目的にあったダブルTGマウスが順調に得られつつあるため、今後の試験は予定通り行えるものと期待している。また、潜伏感染試験に用いたマウスから脳を採取してアミロイドβの試験に流用すれば、試験期間を短縮できる可能性がある。
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Causes of Carryover |
該当年度に必要なTGマウスを交配させるために各社とのクロスブリーディング契約の締結とそれに伴う契約料が急遽必要となり、その都度前倒し請求をしていたが、その差額が余った形となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
クロスブリーディングに該当年度を要したために試験計画が若干遅れており、試験マウスに使用予定であった試薬類の購入に充てる予定である。
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