2014 Fiscal Year Research-status Report
心不全ラットにおける水代謝病態解明及び飲水行動制御による治療効果の検討
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26430103
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
鄭 燦 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任研究員 (50443495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 梅花 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任研究員 (60443496)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心不全 / 飲水行動 / 渇き / 血行動態 / 生存率 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性心不全患者では心不全増悪による再入院率が高く、その誘因は塩分・水分制限の不徹底が33%と最も多い。心不全患者の治療と生活管理に関する日欧米ガイドラインでは、飲水制限の科学的根拠に乏しく、具体的な指導内容が述べられていない。 臨床では、患者の渇きを評価する際、VAS方法を用いられているですが、数量化にするのは難しい。本研究では、初めて持続的にかつ精確的に飲水行動を記録方法を確立し、モデル動物の一回飲む量で渇きを評価する試しに成功した。 更に、心不全ラットモデルと正常ラットで飲水パターンを調べた。心筋梗塞後心不全ラットの20週目総飲水量は正常ラットと比べて有意差はないが、飲水のパターンが病態進行に伴って大きく変化し、一日飲水回数の減少と同時に一回飲水量の増加が生じる。このような飲水行動パッタンでは、生体内環境の恒常性維持に不利な影響が生じる可能性あると考えられる、つまり、一回大量の水を飲むと、急に循環に負荷がかかり;飲む間隔が伸びると脱水による交感神経系を興奮させ、増悪因子になるのではないかと考える。これらの発見から、より正常的な飲水パッタンは心不全の病態進行を遅らせる効果があるかを今後の研究で検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心不全モデルの作成と飲水行動記録 麻酔下で開胸し、冠状動脈を結紮して急性心筋梗塞を作る方法で心不全モデルラットを60匹作成した。術後1週間回復した心不全ラットと同じ週齢の正常ラットを通常の環境、標準ケージで単独飼育し、飲水量をリアルタイムで計測した。モデル動物の一部(累計10匹)に血圧モニター装置(TA11PA-C40)を植え込み、血行動態と飲水行動を同時記録が出来ました。
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Strategy for Future Research Activity |
「飲水量フィードバック制御」システムの開発 飲水量フィードバック制御の方法は、落滴センサーとノズル間に電磁弁を設置し、パソコンプログラムがDAボード経由で開閉タイミングを制御する。プログラムは飲水量の計測値が事前設定値に達すると流路を閉じる、一定間隔(例30 分)経過後に再度弁を開く。また、ケージには弁の開閉状態を知らせる信号(発光ダイオード)を設置し、条件反射の原理を利用して、ラットの学習能力で飲水のタイミングを知らせる。既に2ch 同時制御装置の有効性を検証された。次に、32chで同時に記録と制御ができるシステム開発する。 今後、心不全ラットの水代謝の病態生理の解明の結果に基づいて、心不全ラットにおける「飲水量フィードバック制御」による心臓リモデリング・心機能・神経液性因子の改善効果を詳細に評価する。 飲水制限は一回飲む量の制御と一日総量制限の方式で行い、両者の心不全に対する影響を調べる。
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Causes of Carryover |
今年度計画した血圧送信機の再生費用は以前の在庫分を一部使用したために余りました。 動物の使用数が計画より少なく実現した。 落滴式流量センサー等部品代が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、多チャンネル送信機(血圧、心電図)を使用する予定で、購入と再生費用が増加する見込みです。また、新たな飲水行動行動と体重、尿量計測などシステム開発に部品代が増える見込みです。
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