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2014 Fiscal Year Research-status Report

肥満・糖尿病と発癌を結びつけるグルタミン代謝ネットワークの基盤的研究

Research Project

Project/Area Number 26430105
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

鈴木 佐和子  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教員 (60400892)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 知明  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50447299)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsグルタミン代謝 / エネルギー代謝 / 抗酸化作用 / 肥満 / 糖尿病 / NASH / 肝癌
Outline of Annual Research Achievements

私はグルタミン代謝の鍵となるGLS2を癌抑制遺伝子p53が制御しエネルギー産生や抗酸化作用を発揮していることを見出し報告してきた。本研究ではこれまでの研究を推し進めIn vivoにおけるGLS2の癌と生活習慣病における役割を明らかとするため以下の実験を行った。
1. GLS2の癌と生活習慣病における役割 -高脂肪食負荷における肥満モデルマウスおよびNASH-HCCモデルマウスにおけるGLS2の発現解析-
高脂肪食負荷モデルマウス、更には生活習慣病と癌の接点で知られるNASH-肝癌の発症過程における経時的なGLS2の発現を検討した。その結果、高脂肪食負荷マウスの肝臓や脂肪においてGLS2発現は有意に増加していた。更にNASH肝でもGLS2の発現は増加するが、肝癌を合併してくると癌部は非癌部に比較してGLS2の発現は低下することが明らかとなった。このことはGLS2が癌と生活習慣病において何らかの役割を果たしていることを示している。
2. GLS2ノックアウトマウスの作成とそのフェノタイプの解析
そこでGLS2ノックアウトマウスを作製し肝臓と脂肪に焦点を当てGLS2の役割を検討した。遺伝子ターゲテイングストラテジーは、イントロン1にgene trap vectorが挿入されており、exon2以降が翻訳されないようになっている。GLS2ノックアウトマウスはに妊孕性に問題なく、メンデルの法則に従って生まれることが確認された。GLS2ノックアウトマウスは高脂肪食負荷にすると、WTに比較して10週齢から有意に体重増加を示した。両群では摂餌量は同程度であった。更にGLS2ノックアウトマウスでは高中性脂肪血症、糖尿病を呈していた。更に 興味深いことにGLS2ノックアウトマウスの肝臓はOil Red O染色で、肝細胞内の脂肪滴が著明、シリウスレッド染色で明らかに繊維化が増加しており、更にMallory小体も認められNASHを来していると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

GLS2ノックアウトマウスの作成に世界に先駆けて作成することに成功した。更に計画していたGLS2の生活習慣病における役割を解明することが出来た。そして、GLS2ノックアウトマウスが、高脂肪食を負荷すると肥満、高中性脂肪血症、糖尿病といったいわゆるメタボリック症候群を呈するといった非常に興味深い結果を得ることができた。詳細な検討によりグルタミン代謝が障害されることで糖新生へとシフトし、更に肥満や酸化ストレスの増加に伴うインスリン抵抗性から糖尿病を発症したと考えられた。更に酸化ストレスの増加が脂肪肝からNASHへの進展に寄与した可能性が示唆されている。ただ今回の検討ではNASHから肝癌への進行までは検討することが出来ていないため次年度にすすめていく。

Strategy for Future Research Activity

今後はGLS2ノックアウトマウスのIn vivoにおける詳細なエネルギー代謝動態と、肝癌発症の有無とそのメカニズムについて、更に検討をすすめていく。具体的にはメチオニンコリン欠乏食やストレプトゾドシンの皮下注射と高脂肪食負荷を組み合わせほぼ100%肝癌を誘発できるモデルを用いて検討する。
更にGLS2はヒトおよびマウスの各臓器において比較的ユビキタスに発現しているが、特に肝臓、脳、膵β細胞に高発現していることが明らかとなっている。そこで細胞内代謝に重要や役割を果たしている肝臓、膵臓において臓器特異的にGLS2をノックアウトし臓器特異的な機能を解析することを計画している。

  • Research Products

    (6 results)

All 2014

All Presentation (6 results)

  • [Presentation] A Novel regutation of pluripotency in human ES/iPS cells by Mitochondiral GLS2 through the control of glutamine metabolism.2014

    • Author(s)
      Sawako Suzuki
    • Organizer
      第37回日本分子生物学会年次学術集会(ワークショップ)
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • Year and Date
      2014-11-25
  • [Presentation] Mitochondiral GLS2 regulates pluripotency in human ES/iPS cells through the control of glutamine metabolism.2014

    • Author(s)
      Sawako Suzuki
    • Organizer
      第73回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • Year and Date
      2014-09-25
  • [Presentation] ヒト多能性幹細胞におけるp53下流遺伝子GLS2のミトコンドリア機能制御を介した幹細胞制御機構の解明2014

    • Author(s)
      鈴木佐和子
    • Organizer
      第32回内分泌代謝学サマーセミナー
    • Place of Presentation
      富士レークホテル(山梨県南都留郡)
    • Year and Date
      2014-07-11
  • [Presentation] 癌抑制遺伝子p53のグルタミン代謝制御因子GLS2を介した生活習慣病における 癌抑制機構の解明2014

    • Author(s)
      鈴木佐和子
    • Organizer
      第57回日本糖尿病学会年次学術集会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場(大阪府大阪市)
    • Year and Date
      2014-05-23
  • [Presentation] GLS2 regulates mitochondrial function, Its concern in stemness regulation and cancer2014

    • Author(s)
      Sawako Suzuki
    • Organizer
      18th International Vascular Biology Meeting 2014 (IVBM 2014)
    • Place of Presentation
      みやこめっせ(京都府京都市)
    • Year and Date
      2014-04-15
  • [Presentation] グルタミン代謝制御分子GLS2をターゲットとした癌抑制遺伝子p53の新局面2014

    • Author(s)
      鈴木佐和子
    • Organizer
      第51回日本臨床分子医学会学術集会
    • Place of Presentation
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • Year and Date
      2014-04-11

URL: 

Published: 2016-05-27  

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