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2014 Fiscal Year Research-status Report

ミュータジェネシスで同定した新規脳腫瘍関連因子の機能解析

Research Project

Project/Area Number 26430108
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

高祖 秀登  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50612876)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords脳腫瘍 / マウスモデル
Outline of Annual Research Achievements

脳腫瘍の中で悪性度の高いグリオーマや小脳髄芽腫は、脳実質内で浸潤性に増殖し、根治的切除が困難なため再発を繰り返し、予後不良である。近年のゲノム解析により数多くの遺伝子変異が同定されているが、いまだ十分に機能がわかっていない遺伝子も多い。2005年に、トランスポゾンを用いてマウス個体で体細胞変異を誘導することで、癌化を誘導できることが示された。申請者は、このトランスポゾン・ミュータジェネシス法を用いて、マウス神経幹細胞に挿入変異を導入することで、小脳髄芽腫、およびグリオーマ幹細胞を作成した。そして、トランスポゾンにより変異が導入された遺伝子を解析することで、脳腫瘍の新規原因候補遺伝子を多数同定した。本研究の目標の1つは、小脳髄芽腫から新規がん遺伝子の候補として同定した3つの転写因子、Foxr2、Alx4、Tgif2について、これらの遺伝子が脳腫瘍形成において果たす役割を、遺伝子改変マウスを作成して個体レベルで解析することである。もう一つの目標は、グリオーマから同定した癌抑制遺伝子の候補について、グリオーマの増殖を制御する治療標的分子を探索することである。これまでの取り組みとして、まず、Foxr2、Alx4、Tgif2の機能を個体レベルで解析するために、Creによる組換え依存的にこれらの遺伝子を過剰発現するような遺伝子改変マウスの作成に取り組んだ。そして、神経系で組換えを起こすCre発現マウスを動物センターに搬入し、交配を開始した。一方、グリオーマの治療標的因子の探索については、機能未知であったRNA結合タンパク質が癌抑制遺伝子として働くという仮説のもとに、グリオーマ細胞株を用いて機能解析実験を行った結果、6種類のグリオーマ細胞株のうち、4種類で増殖を強く抑制できることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交配実験に向けて、順調に遺伝子組換えマウスの作成および搬入が進んでいる。Creによる組み換え依存的にFoxr2、Alx4、またはTgif2を発現する遺伝子改変マウス(R26R-Foxr2, R26R-Alx4、R26R-Tgif2)の作成については、R26R-Foxr2、R26R-Alx4については、生殖系列の細胞にもトランスジーンが導入されたようなキメラマウスを得ることができた。R26R-Tgif2については、これまでに4つのクローンからキメラマウスの作成を試みたが、キメラ率の高い個体が得られず、生殖系列への寄与も確認できていない。神経系細胞で特異的にCreを発現するマウスとして、神経幹細胞で組換えを誘導するNestin-creトランスジェニックマウスを理研BRCから動物センターに搬入し、また、小脳の顆粒前駆細胞で組換えを誘導できるMath1-creトランスジェニックマウスについても、Jackson Laboratoryから搬入が終了した。一方、グリオーマの新規癌抑制遺伝子の探索に関しては、グリオーマ細胞株の増殖を抑制できる新規遺伝子の同定まで進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

Foxr2, Alx4を神経幹細胞、および小脳顆粒前駆細胞で発現させるために、R26R-Foxr2、R26R-Alx4マウスをNestin-cre、あるいはMath1-creトランスジェニックマウスと掛け合わせる。腫瘍形成を促進するために、p53 floxedマウスとも交配を進める。作成したダブル、またはトリプル・トランスジェニックマウスから小脳を単離し、固定後に切片を作成して、HE染色で小脳の形態を観察する。またRNAを抽出し、遺伝子発現解析を行う。R26R-Tgif2マウスについては、引き続きESクローンの胚盤胞への注入によるキメラマウスの作成を試みて、生殖系列へ寄与する系統の確保を目指す。グリオーマの増殖を抑制する新規がん抑制遺伝子候補については、増殖抑制の分子メカニズムを解析すると同時に、shRNAを用いて発現抑制実験を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Transposon mutagenesis identifies genes and evolutionary forces driving gastrointestinal tract tumor progression2015

    • Author(s)
      Takeda H, Wei Z, Koso H, Rust AG, Yew CC, Mann MB, Ward JM, Adams DJ, Copeland NG, Jenkins NA
    • Journal Title

      Nature Genetics

      Volume: 47 (2) Pages: 142-50

    • DOI

      10.1038/ng.3175

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Identification of FoxR2 as an oncogene in medulloblastoma2014

    • Author(s)
      Koso H, Tsuhako A, Lyons E, Ward JM, Rust AG, Adams DJ, Jenkins NA, Copeland NG, Watanabe S
    • Journal Title

      Cancer Research

      Volume: 74 (8) Pages: 2351-61

    • DOI

      10.1158/0008-5472.CAN-13-1523

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] トランスポゾン・ミュータジェネシスによる小脳髄芽腫の新規原因遺伝子の同定2014

    • Author(s)
      高祖秀登
    • Organizer
      第73回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      2014-09-26

URL: 

Published: 2016-05-27  

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