2015 Fiscal Year Research-status Report
正常及び癌組織幹細胞分化制御機構におけるクロマチン構造調節因子DEKの役割の解明
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26430111
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
原 明 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10242728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 弘之 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50509510)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず本研究費で作成したドキシサイクリン誘導DEK発現トランスジェニックマウスの特性を調べた。低濃度から高濃度のドキシサイクリンを投与し、DEKの発現を誘導したが、正常組織では変化はみられなかった。また、妊娠したDEK発現マウスにドキシサイクリンを投与し、胎生期での DEK上昇の及ぼす影響を調べたが、これも変化がみられなかった。ここまでの結果で、DEK発現によるin vivoでの変化はES細胞移植テラトーマ形成実験での、DEK発現上昇群での外胚葉(上皮、神経)への分化が目立つ所見のみであった。そのため、続いて、腫瘍形成におけるDEK遺伝子の関連をみるため、APC遺伝子変異マウス(腸管自然腫瘍発生)をDEK発現トランスジェニックマウスと交配し、DEK発現の有無で腫瘍形成の変化があるかを調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドキシサイクリン誘導DEK発現トランスジェニックマウスは完成し、その有用性も確認できたものの、正常組織においてはDEK発現のon-offによる変化はみられなかった。なにかがみられれば結論は早いのだが、"みられない”ということを結論づけるには膨大な時間を要し、腫瘍形成におけるDEKの役割に移行するのに遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに、少数のドキシサイクリン誘導DEK発現トランスジェニックマウスとAPC遺伝子変異マウスとの交配マウスを解析し、DEK発現上昇により、腫瘍形成が促進されるプレリミナリーな結果は得ており、早急に症例数を充実させ、解析を行う。
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