2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the global effect and the mechanism of cancer specific mature mRNA re-splicing
Project/Area Number |
26430124
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
亀山 俊樹 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (60298544)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RNA結合タンパク質 / siRNA / RBM4 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はRNA結合タンパク質156遺伝子に対するsiRNAライブラリーの網羅的スクリーニングを行いmRNA再スプライシング抑制因子の探索を行った。TSG101遺伝子のmRNA再スプライシングが非常に低頻度でしか起きていないHela細胞に156種のsiRNAをトランスフェクションし、TSG101の再スプライシング産物の増加が見られるものを探した。156種のsiRNAのスクリーニングの結果、siRNA#51によって再スプライシング産物と同じ異常スプライシングが起こる事を見いだした。この異常スプライシング産物をシークエンシングして確認ところ、901塩基欠損するTSG101Δ190-1090であり、これはまさにTSG101 mRNAが再スプライシングされて出来た異常産物であると考えられた。siRNA#51の抑制する遺伝子はRNA結合タンパク質RBM4である。そこでRBM4に対するsiRNAを新たに2種類siRNAを合成し、別の頭頸部がん由来TW01細胞株を用いて検証したところ、確かにこのRBM4遺伝子のノックダウンによりTSG101 mRNAの再スプライシングが促進されていることを確認した。現在、RBM4遺伝子の過剰発現実験を行うと共に、どのようなメカニズムでmRNA再スプライシングを制御しているのか詳細な解析をさらに進めているところである。 このRBM4遺伝子は正常組織では広範な発現が認められるが細胞のがん化と共にその発現が低下する。また、がん関連遺伝子の選択的スプライシングに関与し、それによりがん細胞のアポトーシス誘導、細胞増殖抑制、転移能の抑制に関与するという癌抑制遺伝子としての働きも注目されつつある。今後、このRBM4遺伝子がどのようにmRNA再スプライシングを制御するのかの詳細を明らかにすることが重要な課題である。
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