2015 Fiscal Year Research-status Report
ICAM-1を標的とした難治性卵巣癌の虚血環境標的治療法の開発
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26430135
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小井詰 史朗 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (60416063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 洋平 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (00254194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハイポキシア / 卵巣がん / ICAM1 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は明細胞卵巣がん(CCC)培養細胞を用いて (1)cDNAマイクロアレイ解析を行ない、虚血環境下ICAM-1発現と関連して発現変化、活性変化を受ける遺伝子群を同定した。また、低酸素下、その欠乏により相乗的ICAM-1発現を誘発する血清因子を同定(長鎖脂肪酸)に成功した。当初(1)の結果、すなわち虚血環境において変動する細胞内の情報伝達メカニズムを指標に探索する予定であったが、他の実験結果より予想外に早くこの因子を特定することが出来、すでに論文報告した。本年度は実際のヒト腫瘍組織で、虚血様環境におけるICAM-1発現が反映され、臨床データと相関するか検討するためにICAM-1免疫染色を行った。実験に用いたヒト卵巣癌組織アレイは当院の神奈川県立臨床研究・情報機構、腫瘍組織センターにて蓄積され、臨床情報が明らかな外科手術検体を用いて作成され、以下組織型の検体(しょう液性癌53例(化学療法無)、明細胞癌50例、類内膜癌22例、粘液性癌12例、他組織型12例)より構成されている。ICAM1特異的抗体による染色をすでに終えており、結果の解析の段階にある。 また、現在プロテオーム解析により虚血環境下CCC細胞においてICAM-1発現依存的に活性化(セリン、スレオニン、チロシン残基のリン酸化)を受けるタンパク質群を解析中である。免疫沈降によるICAM1と相互作用するタンパク質の同定についてはは現時点で成功していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CCC細胞を用いたICAM1と相互作用するタンパク質の解析について予定の通り進行していない。理由はICAM1の共免疫沈降実験において適切な実験条件(抗体)等を確立出来ていないためである。ゆえにICAM1と相互作用するタンパク質に関しては現時点で未確認あるが、下記のリン酸化タンパク質の解析結果を受けて方針を変更することも視野に入れている。卵巣がん組織アレイを用いたICAM1の免疫染色の結果はすでに得られており、今後染色強度をスコア化し、臨床データとの相関を検討予定である。また、ICAM1発現に伴い、活性化(リン酸化)を受けるタンパク質の網羅的(プロテオーム解析については現在進行中であり、ほぼ予定した進行状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
卵巣がん組織アレイを用いたICAM1の免疫染色の結果より染色強度をスコア化し、臨床データとの相関を決定する。また、ICAM1発現に伴い、活性化(リン酸化)を受けるプロテオーム解析を完了し、リン酸化誘導タンパク質群を抽出する。さらにこれらについてパスウェイ解析、分子間相互作用ネットワークを解析するなどしてICAM-1による細胞生存能増強に重要な細胞内メカニズムを解明する。ICAM1と相互作用するタンパク質に関してはリン酸化タンパク質の解析結果を受けて当初の方針を変更して研究を遂行することも視野に入れている。最後に一連の実験結果を総括し、論文発表に向けた準備を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定の研究実行上の問題点が生じたことによる計画遂行遅延のため、当該助成金が生じたと考える。次年度は翌年分として請求した助成金を有効活用し、該当する研究計画を含め研究計画全体の遂行を完了出来るよう努力する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にプロテオーム解析、免疫沈降実験によるICAM-1結合タンパク質の同定等の実験に必要な消耗品購入に使用する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] High-level secretion of tissue factor-rich extracellular vesicles from ovarian cancer cells mediated by filamin-A and protease-activated receptors.2016
Author(s)
Koizume S, Ito S, Yoshioka Y, Kanayama T, Nakamura Y, Yoshihara M, Yamada R, Ochiya T, Ruf W, Miyagi E, Hirahara F, Miyagi Y.
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Journal Title
Thromb. Haemost.
Volume: 115
Pages: 299-310
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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