2014 Fiscal Year Research-status Report
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26430145
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤村 務 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70245778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 前立腺がん / 診断マーカ- / IgGの糖鎖 / 糖タンパク質 / 糖鎖修飾ペプチド抗体 / ELISA / Luminexビーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
「目的」:前立腺がんの診断には前立腺特異抗原(PSA 値)が用いられているが、グレーゾーンといわれる検出範囲、4-10 ng/ml には良性疾患患者が7 割も含まれ、不必要な針生検が行われているのが現状である。これまで申請者は前立腺がん患者血清ハプトグロビン(Hpt)からがん特異的な糖鎖修飾ペプチド抗体を作製し、ELISA 法の開発を行ってきた。今回新たに、前立腺がん患者血清IgGの糖鎖構造変化を見出した。糖鎖修飾を標的としたHpt とIgG による多項目同時測定が可能なマルチプレックスビーズ結合抗体検出法を開発し、針生検を必要としない高感度、高精度な確定診断法を確立し臨床導入を目指す。患者への身体的負担と医療経済的負担の軽減を図る。 「研究実施計画」:悪性前立腺がん患者、良性疾患患者、健常者由来の血清中からProtein G カラムを用いてIgGを精製する。それぞれから精製したIgG を還元アルキル化後、ゲル濾過法を用いて重(H)鎖と軽(L)鎖を分離精製し、重(H)鎖をトリプシン消化後HPLC で糖鎖修飾ペプチドを精製する。精製した糖鎖修飾ペプチドを抗原にして抗体を作製する。がん患者、良性疾患患者、健常者の血清を用いてウエスタンブロットを行い、IgG に対する反応性からがん患者由来の糖鎖修飾ペプチド抗体(anti IgG 抗体)の特異性の評価を行う。既に得られているanti Hpt 抗体および悪性度(グリソン・スコア:2~10)と病期(ステージ:A~D)の相関関係も比較し診断マーカーとしての評価を行う。anti Hpt 抗体とanti IgG 抗体のマルチプレックスビーズ結合抗体を作製し多項目同時測定が可能な抗体検出法を開発する。前立腺がんの針生検を必要としない確定診断法を確立し臨床導入を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「糖鎖修飾ペプチドの精製」悪性前立腺がん患者、良性疾患患者、健常者由来の血清中からProtein Gカラムを用いてIgGを精製する。それぞれから精製したIgGを還元アルキル化後、ゲル濾過法を用いて重(H)鎖と軽(L)鎖を分離精製し、重(H)鎖をトリプシン消化する。トリプシン消化した糖鎖修飾ペプチドを含むペプチド混合物をSepharose CL4Bを用いる和田らの方法(Wada Y et al. Anal. Chem. 2004)に従って糖鎖修飾ペプチドを分離精製した。予備実験で悪性前立腺がん患者由来血清IgGの糖鎖修飾ペプチドを精製した。 「糖鎖修飾ペプチドの糖鎖構造解析」N結合型糖鎖:悪性前立腺がん患者、良性疾患患者、健常者由来血清IgGの精製した糖鎖修飾ペプチドの一部を用いて、西村らのBlotGlyco法(Nishimura S et al.Anal. Chem.2004)により糖鎖構造解析を行った。その結果、悪性前立腺がん患者由来血清IgGの糖鎖が健常者に比べ変化していた。O結合型糖鎖:精製した糖鎖修飾ペプチドの一部を用いて、篠原らの方法(ShinoharaY et al. Anal. Chem. 2011) により糖鎖構造解析を行ったが、IgGにO結合型糖鎖を確認することが出来なかった。 「糖鎖修飾ペプチド抗体の作製」悪性前立腺がん患者由来血清からIgG由来の糖鎖修飾ペプチドG0F、G1F、G2Fを精製した。精製したIgG由来の糖鎖修飾ペプチドを抗原にしてマウス及びウサギに免疫し抗体を作製した。抗体の特異性をウエスタンブロット法で確認中である。今年度は、研究計画全体としておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
「スクリーニング」スクリーニングとして前立腺がん患者、良性疾患患者、健常者の血清を用いてウエスタンブロットを行い、それぞれの血清IgGに対する反応性の違いからがん患者由来の糖鎖修飾ペプチドG0F、G1F、G2F抗体の特異性の評価を行う。既に作成したanti Hpt抗体とanti IgG抗体を組み合わせることにより、グレーゾーン(4-10 ng/ml)値を示す患者の診断が可能性となる。作製した抗体をLuminexビーズに結合しanti Hpt及びanti IgG抗体ビーズを完成させる。Luminexビーズ(多項目を同時に測定できるビーズ)の利点を生かし最も高感度な抗体結合検出法を構築する。多項目同時測定システム(Luminex®200xPONENT):Luminexテクノロジーシステムの測定系はフローサイトメーターと同様な原理で、赤色と緑色レーザーをビーズに照射する。赤色のレーザーはタンパク質の識別、緑色のレーザーはタンパク質の2次抗体に照射しその蛍光標識を検出して定量を行う。この2色のレーザーを照射することにより、各ビーズの識別と蛍光標識の蛍光値の情報を得ることができるため、多種のビーズが混在した状態でも検出することができ、多項目の同時測定が可能になっている。従来のELISA法に比べ試料量や測定時間が短縮され低コストであり、スループットの大幅な向上を実現できる。多項目の分析結果を多角的に評価することにより検出感度及び特異性の向上が期待される。
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Causes of Carryover |
本研究を申請するに当たり計上した研究費については、消耗品を主体とした経費が大部分を占める。当初予定していた Luminex測定用関連試薬の消耗品代が予備実験の段階であった為、予算を消費する必要が生じなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度はLuminexビーズ法を構築する上で標識試薬や磁気ビーズの最適化、プロトコールの条件検討など、Luminex測定用関連試薬の消耗品代がかなり必要なため、26年度未使用分の130万円を使用する。具体的には、作製した抗体をLuminexビーズに結合させオリジナルなMultiPlex kitの開発を進める。anti Hpt及びanti IgG抗体ビーズを混ぜることにより、複数のGlycopeptide抗体の測定が可能となる。複数項目を測定することにより多変量解析が可能となりがんマーカーとしての精度向上につながる。また、他のがんマーカーとも組み合わせることが可能であり、発展性(応用範囲)が広がる可能性を秘めている。本研究の目的であるがん特異的な糖鎖修飾抗体の作製と、PSA値を補完するELISA法の確立が可能となる。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] A treadmill exercise reactivates the signaling of the mammalian target of rapamycin (mTor) in the skeletal muscles of starved mice.2015
Author(s)
Zheng DM, Bian Z, Furuya N, Oliva Trejo JA, Takeda-Ezaki M, Takahashi K, Hiraoka Y, Mineki R, Taka H, Ikeda S, Komatsu M, Fujimura T, Ueno T, Ezaki J.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 456
Pages: 519-526
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Effects of sitagliptin on ectopic fat contents and glucose metabolism in type 2 diabetic patients with fatty liver: A pilot study.2015
Author(s)
Watanabe T, Tamura Y, Kakehi S, Funayama T, Gastaldelli A, Takeno K, Kawaguchi M, Yamamoto R, Sato F, Ikeda S, Taka H, Fujimura T, Fujitani Y, Kawamori R, Watada H.
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Journal Title
J Diabetes Investig
Volume: 6
Pages: 164-172
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Increased expression of ERp57/GRP58 is protective against pancreatic beta cell death caused by autophagic failure.2014
Author(s)
Yamamoto E, Uchida T, Abe H, Taka H, Fujimura T, Komiya K, Hara A, Ogihara T, Fujitani Y, Ueno T, Takeda S, Watada H.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 453
Pages: 19-24
DOI
Peer Reviewed
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