2015 Fiscal Year Research-status Report
網羅的RNAiスクリーニングを用いた食道癌化学療法効果予測バイオマーカーの探索
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26430146
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
荒川 泰弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80349547)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食道癌 / 癌化学療法 / 薬剤耐性 / RNAiスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト遺伝子を網羅する short hairpin RNA(shRNA)発現レンチウィルスプールを用いて、発現抑制が食道癌細胞に抗癌剤感受性の変化をもたらす遺伝子を探索している。昨年度のスクリーニングで発現の抑制が抗癌剤(シスプラチン、ドセタキセル)耐性をもたらす遺伝子の候補として、細胞増殖シグナル、細胞周期調節、アポトーシス、ヒストン修飾に関連する遺伝子などが抽出された。本年度は選別された遺伝子の発現抑制が実際に抗癌剤耐性をもたらすか確認するため、shRNA がターゲットとしている遺伝子に 対して RNA干渉 を引き起こす二本鎖 RNA(dsRNA)を作成した。ヒト遺伝子に相同配列がないネガティブコントロールの dsRNA を導入した 細胞とターゲット遺伝子に対する dsRNA を導入した細胞での抗癌剤感受性を MTT 法で比較した。検討した遺伝子の中で、ヒストン修飾に関連する遺伝子の抑制が食道癌細胞株(KYSE70、KYSE170)にシスプラチン耐性をもたらすことが示唆された。 また、発現抑制が抗癌剤感受性をもたらす遺伝子群の選別も行った。レンチウィルスライブラリーを導入した食道癌細胞株を、抗癌剤を投与する実験用サンプルと投与しない対象サンプルに分け、実験用サンプルに抗癌剤を投与した後、実験用サンプルと対 象サンプルの両者からゲノム DNA を抽出した。ゲノム中に挿入された shRNA 配列を PCR にて増幅し、次世代シークエンサーを用いてシークエンスする予定である。抗癌剤投与により増減したshRNA 配列を対象サンプルと比較することで抽出し、shRNAがターゲットとする遺伝子を同定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に発現抑制が食道癌細胞株に抗癌剤感受性をもたらす遺伝子の選別まで終わらせる予定であったが、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
発現抑制が食道癌細胞株に抗癌剤耐性をもたらす遺伝子の選別を完了する。スクリーニングで抽出された遺伝子群について、各々発現抑制が抗癌剤感受性に影響をもたらすかをdsRNAを作成して確認する。各遺伝子の発現抑制が抗癌剤感受性に影響を与えるメカニズムについて解析し、結果をまとめる。
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Causes of Carryover |
研究計画の若干の遅れにより、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度に予定していた研究計画を遂行する。
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