2014 Fiscal Year Research-status Report
診断・治療法開発に向けた新規大腸癌バイオマーカー候補タンパク質の網羅的機能解析
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26430152
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
原 康洋 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤的研究部, 特任研究員 (70568617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 秀明 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 創薬基盤的研究部, 特任研究員 (50322714)
朝長 毅 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 創薬基盤的研究部, プロジェクトリーダー (80227644)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌 / バイオマーカー / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、当研究室のプロテオーム解析ですでに同定されている大腸癌で高発現している膜タンパク質群の癌発生、進行との関連を調べ、大腸癌バイオマーカーあるいは創薬標的となる膜タンパク質を見出すことを目的としている。 平成26年度は、Q-RT-PCRによる大腸癌細胞株HCT116、SW620、WiDrでの発現解析を指標に候補となる膜タンパク質の中から16タンパク質を選択した。 次に大腸癌細胞株でのsiRNAトランスフェクションによるノックダウンを用いた機能解析を行った。機能解析法としてWST-8による細胞増殖アッセイ、wound healingによる移動能アッセイ、matrigel invasion chamberによる浸潤能アッセイの3通りを行った。その結果、2配列のsiRNAによるノックダウンで共に増殖が顕著に抑制される2種のタンパク質を見出した。現在、その一つである小胞体ストレスに関与する受容体タンパク質に着目し、そのタンパク質のノックダウンによって小胞体ストレスの防御に働くシャペロンタンパク質が減少することを見出した。また、そのタンパク質に対するリガンドの一つを高濃度で大腸癌細胞に投与すると小胞体ストレスが誘導され、細胞増殖抑制が起こることがわかった。さらに、そのタンパク質を過剰発現し、免疫沈降を行うと内在性のタンパク質も共に沈降することから、多量体を形成して存在していると思われた。現在、過剰発現による増殖へ影響の解析、安定高発現株の作製などを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該タンパク質を発現している大腸癌細胞株の選択、siRNAの導入、癌進展機能の各種アッセイ系など研究進行に必要な実験系は確立できた。さらにバイオマーカー候補となるタンパク質を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、引き続き大腸癌細胞株でのsiRNAによるノックダウンを用いたバイオマーカー候補のスクリーニングを行い、癌発生、進展に重要な機能を持ったタンパク質を探していく。 また、平成26年度にすでに見出している候補タンパク質の機能解析も引き続き行う
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