2014 Fiscal Year Research-status Report
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26430158
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
早川 芳弘 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (10541956)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 炎症 / がん / 自然免疫 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】がん病態においては慢性的な炎症を惹起することで免疫応答ががん悪性化に寄与している側面も持ち合わせる。本研究では新たに同定したがん悪性化に重要な炎症性免疫応答の起点となる細胞、ならびに炎症の維持・収束に関わる炎症性メディエーターの制御による新たながん治療への応用について検討した結果を報告する。 【方法】QR32細胞は正常同系マウスであるB6マウスでは皮下移植の後に自然退縮するが炎症により悪性化転換する。これまでにKOマウスを用いた解析結果から、QR32の悪性化転換にIL-17を介した免疫応答が非常に重要である事を報告した。がん悪性化進展を促進するIL-17の産生細胞ならびに炎症性免疫応答の実態を明らかにするため、腫瘍局所で産生されるサイトカイン/ケモカインならびに炎症細胞浸潤におけるIL-17の役割、さらにIL-17の産生メカニズムについて検証した。 【結果】IL-17産生細胞としてVd1 T細胞を同定した。Vd1 T細胞が産生するIL-17は炎症性サイトカインの産生増幅ならびに好中球浸潤を促進する事でがん炎症性微小環境の形成において重要な起点であり、そのIL-17産生にはTNFRSFに属する分子が重要であり、モノクローナル抗体治療により炎症によるがん悪性化進展が阻害出来ることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予想していた内容とは若干異なるデータを得たが、H26年度内に計画していた研究成果はほぼ得る事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度の成果から若干研究計画の軌道修正が必要であるが、興味深いデータが得られているので順調に研究を推進したい。
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Causes of Carryover |
本年度得られた研究結果により、当初の計画からの若干の変更が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H26年度繰越分使用予定の予算はH27年度研究計画に組み込んで使用する。
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Research Products
(4 results)