2015 Fiscal Year Research-status Report
肺癌におけるcMetによるtopoisomeraseIの活性制御の解析
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26430159
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笠原 寿郎 金沢大学, 医学系, 准教授 (30272967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 崇 金沢大学, 医薬保健総合研究科, 准教授 (30420334)
木村 英晴 金沢大学, 医学系, 助教 (40444202)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | cMet / Toppisomerase I |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は肺癌細胞における増殖因子受容体cMetと核内DNA複製酵素のTopoisomeraseI(TopoI)の関連について検討した。検討に用いたのは10種類の肺癌培養細胞株(EBC-1, H441, PC-9, PC-9/Met, A549, H2228, H1975, H1993, H596, H358)である. まずcMet蛋白発現、リン酸化をWestern blot法で検討したところ、5細胞株(PC-9/Met, EBC-1, H1993, H441, H2228)でcMet高発現、Metのリン酸化亢進を認めた。その他の5種類ではcMet発現は弱くリン酸化も低かった。cMet蛋白量とリン酸化Met(pMet)量は強い相関を示した。核内のTopoI発現・活性を検討したところ、前者のcMet高発現細胞株群ではTopoI蛋白発現が高かったが、弱い相関を示すに留まった。また同様にpMetもTopoI蛋白と弱い相関を示した。TopoI活性を測定し、Met蛋白との比較したところ、cMet、pMet両者と相関を示した。TopoI阻害剤であるSN38の感受性はcMet高発現細胞、pMet高発現細胞で有意に高かった。HGFはcMetのLigandである。PC-9, PC-9/Met, A549, EBC-1細胞株にHGFを添加した実験では、Metリン酸化亢進が認められた。またMet阻害剤(SU11274)でHGF刺激によるMetリン酸化がキャンセルされた。この現象はcMet発現状況に関わらず認められた。一方 TopoI発現はSU11274処理により低下する傾向が認められたが、HGF刺激ではわずかに亢進したのみであった。 現在までの検討ではcMetとTopoIの間には関連が認められている。cMetがTopoIを制御している可能性が示唆され、臨床検体を用いてこの関連を確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の仮説であるcMetが直接的にTopoIの蛋白発現、活性を制御しているという仮説は証明された。TopoI発現とTopoI 阻害剤であるSN38感受性の間に弱い相関しか見られていないがcMetとのSN38感受性の関連は確からしい。一方でこの知見を以下に臨床応用するか、という面では臨床検体を用いた解析が乏しく情報がないに等しい状態である。腫瘍検体を用いた解析が必要と考えられるので現在この準備中である。一方でHGFによるMet刺激、cMet阻害剤によるMetリン酸化阻害によりTopoI蛋白発現が変動していることは、我々の仮説を支持するものであり、さらに検討する価値があると考えられる。今回の検討期間内での進捗としてはおおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の仮説であるcMetが直接的にTopoIの蛋白発現、活性を制御しているという仮説は証明された。TopoI発現とTopoI 阻害剤であるSN38感受性の間に弱い相関しか見られていないがcMetとのSN38感受性の関連は確からしい。この知見を如何に臨床応用するか、という面では臨床検体を用いた解析が乏しく情報がないに等しい状態である。腫瘍検体を用いた解析が必要と考えられるので現在この準備中である。一方でHGFによるMet刺激、cMet阻害剤によるMetリン酸化阻害によりTopoI蛋白発現が変動していることは、さらに検討する価値があると考えられる。今回の検討期間内での進捗としてはおおむね順調であると考える。
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[Journal Article] Pleuroparenchymal fibroelastosis: Distinct pulmonary physiological features in nine patients2015
Author(s)
Watanabe, S. Waseda, Y. Takato, H. Matsunuma, R. Johkoh, T. Egashira, R. Kawabata, Y. Ikeda, H. Yasui, M. Fujimura, M. Kasahara, K.
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Journal Title
Respir Investig
Volume: 53
Pages: 149-155
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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