2015 Fiscal Year Research-status Report
EGFR肺癌におけるIL-6のEGFR-TKI耐性への関与と克服に向けた研究
Project/Area Number |
26430163
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堀田 勝幸 岡山大学, 大学病院, 教授 (70379816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木浦 勝行 岡山大学, 大学病院, 教授 (10243502)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | EGFR-TKI |
Outline of Annual Research Achievements |
非小細胞肺がんに、EGFR遺伝子変異陽性の亜群が存在し、ゲフィチニブなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が臨床的に極めて有効であることが2000年代に示された。EGFR遺伝子変異とEGFR-TKIの組み合わせによる“precise medicine”を通じて、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(EGFR肺がん)は飛躍的な生存効果の改善をもたらした。しかし、ゲフィチニブ投与に初期耐性を示すEGFR肺がんは約10-15%存在し、その予後は未だ不良である。このEGFR-TKI耐性に腫瘍細胞IL-6発現亢進の関与が指摘されている。 本研究では、①樹立した動物モデルでこの関連を確認する。②さらに臨床検体を用い、ゲフィチニブの有効性と腫瘍細胞IL-6発現との関連について臨床的な検討を加える、をそれぞれ到達目標としている。 我々はゲフィチニブ治療を受けたEGFR遺伝子変異陽性肺癌患者52例を対象として、後方視的に腫瘍IL-6発現状態別にEGFR-TKIの有効性を検討したところ、IL-6高発現群は全体の46%を占め、低発現群と比べて、無増悪生存期間(PFS)の短縮傾向が認められた(Kato Y & Hotta K.世界肺癌会議, 2015)。同一患者群のプラチナ治療のPFS曲線は重なっていることから、IL-6発現状態はEGFR-TKIの治療効果予測因子である可能性、つまり、IL-6高発現群においてEGFR-TKI単剤治療による効果は不十分と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はゲフィチニブ治療を受けたEGFR遺伝子変異陽性肺癌患者52例を対象として、後方視的に腫瘍IL-6発現状態別にEGFR-TKIの有効性を検討したところ、IL-6高発現群は全体の46%を占め、低発現群と比べて、無増悪生存期間(PFS)の短縮傾向が認められた(Kato Y & Hotta K.世界肺癌会議, 2015)。同一患者群のプラチナ治療のPFS曲線は重なっていることから、IL-6発現状態はEGFR-TKIの治療効果予測因子である可能性、つまり、IL-6高発現群においてEGFR-TKI単剤治療による効果は不十分と考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、上記明らかにしたIL-6発現状態とEGFR-TKIの治療効果との関連性について、論文化を目指す。また上記臨床上での知見に対し、非臨床研究を通じてその機序を明らかにする。
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Causes of Carryover |
関連文献の購入が少なかったこと等があげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、関連文献の購入も含め、年間の予定研究遂行に必要な費用を適正に使用して、業績に結び付ける所存である。
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Research Products
(1 results)