2014 Fiscal Year Annual Research Report
SurvivinとXIAPの相互作用を標的とする成人T細胞白血病の新規治療法開発
Project/Area Number |
26430170
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
車 暁芳 東京医科大学, 医学部, 助教 (10437973)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分子標的治療 / Survivin / XIAP |
Outline of Annual Research Achievements |
成人T細胞白血病(ATL)におけるsurvivinの高発現が抗がん剤耐性の一つの要因である。Survivinは白血病を含む腫瘍細胞で特異的に過剰発現し、癌治療の標的分子として注目されている。SurvivinはXIAPと結合し、XIAPを安定化させ、caspase-9の活性化を阻害することによって細胞のアポトーシスを抑制する。我々は、survivinのXIAPとの結合部位の配列のN末端に膜透過キャリアーPTDをつけたオリゴペプチドを合成し、ATL細胞に対する効果を調べた。 1)このペプチドは濃度依存性にS1TとMT2などのATL細胞株とHL60、NB4などの白血病細胞株の細胞死を強力に誘導した。正常細胞のHELとHUVECでは全く影響を示さなかった。更に、健常人の末梢血から単離したリンパ球はATL細胞株S1Tと比較して、かなり弱い細胞死誘導効果を示した。この結果はこのペプチドが癌細胞特異であることを示唆した。2)ペプチドで処理したS1T細胞をGiemsa染色し、典型的な核断片化ではなくて、細胞質の膨張化を観察した。さらに、caspase-3の活性上昇が見えなくて、PARP、caspase-3、caspase-9の切断もなかった。これらの結果は、ペプチドによる細胞死が非アポトーシスであることを示唆した。3)ペプチドの処理で、S1T細胞のLC3-IIのレベルが上昇し、p62のレベルが低下した。オートファジー阻害剤との併用で細胞死が更に増加した。一方、RIP1のレベルが低下し、ネクロトーシス阻害剤との併用で細胞死が部分的に阻害された。これらの結果は、このペプチドが保護的なオートファジーとネクロトーシスを誘導したことを示唆した。 以上の結果によりこのペプチドがATL細胞のネクロトーシスを誘導することがわかった。
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[Journal Article] Targeting the integrated networks of aggresome formation, proteasome, and autophagy potentiates ER stress‑mediated cell death in multiple myeloma cells.2015
Author(s)
Moriya S, Komatsu S, Yamasaki K, Kawai Y, Kokuba H, Hirota A, Che XF, Inazu M, Gotoh A, Hiramoto M, Miyazawa K.
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Journal Title
Int J Oncol
Volume: 46(2)
Pages: 474-486
DOI
Peer Reviewed