2014 Fiscal Year Research-status Report
ファーストライン化学療法抵抗性胆道がんに対するワクチン療法の基礎及び臨床研究
Project/Area Number |
26430175
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
由谷 茂 久留米大学, がんワクチンセンター, 准教授 (20279160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白濱 貴久 久留米大学, 医学部, 助教 (00647787)
七條 茂樹 久留米大学, がんワクチンセンター, 准教授 (30080592)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | CTL / Tcell exhaustion / Treg / MDSC / ELISPOT / Immunotherapy / Cancer vaccine / Biliary tract cancer |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年3月末時点で21症例の登録があり、予定症例数(20例)を確保した。 MDSC、Treg測定用の抗体を購入し順次測定しているが、まだ2Kur(12回投与)症例が少ないため、大多数の症例で-80℃にて血清保存を行っている。(測定は測定時期による誤差を極力出さないよう単一症例では同時測定を行うこととしている。) CTL Assayにしても同様である。新たに今年度エントリーした殆どの患者では、血清からPBMCを分離し液体窒素内に保存している。試験終了確定後(ワクチン投与終了後)随時測定し、MDSCやTregとの関係を検索する予定である。 このように基礎研究の結果について現在の時点で論じることについては時期尚早と考えられるが、既に計測した40例と同様の傾向にあるとは言える。 また、当該研究のベースとなったCPA併用における患者生存期間の延長については、追加症例を入れた統計解析では、尚一層の有意差をもってCPA併用症例において予後の延長傾向(Log-Rank test:P=0.01, Fleming Hamilton test:p<0.0001)を認めている。(この結果については当年度がん関係学会等にて発表予定である。) 平成27年度終了時点では症例の蓄積及び基礎的データの蓄積が可能であり、CPA併用効果基礎的解析がかなり進むと考えられる。強いてはペプチドワクチンの効果増強に関する考察にも言及できる可能性が考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)登録症例は21例であり、当初の予定症例数20例をクリアしている。 2)MDSC.Tregの測定については各々の症例が試験中止した時点でまとめて測定するため、現在のところ測定データは揃っていない。血清分離し、-80℃のディープフリーザー内に保存中である。 3)CTL Assayについても同様である。ほとんどの症例でPBMCの分離後液体窒素タンク内に保存しストックしている状態である。 4)患者生存については既存の症例に27年度分追加した解析では、従来の2群間比較で有意差が出なかったLog-Rank test(ペプチドワクチン療法においは、効果出現までに時間がかかるため、投与開始の100日以内では生命予後に有意差が出ないためFreming Hamilton法で統計解析を行うのが一般的である)にても有意差が出る結果となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
症例の蓄積が第一責務と考えている。現在、当センターワクチン受診患者自体が減少傾向にあり、紹介医にたいして当センターの実績をまとめた冊子を作成し送付したところである(2015/4/末)。このことにより当試験参加胆道がん患者の増加を図る。さらに、学会・研究論文を通じて胆道がんに対するCPA/ペプチドワクチンの併用の有用性を広く発表し、理解を深めることを目標としたい。 研究を遂行していくにあたっての課題点は以下のとおりと考えている。今後症例の蓄積を通じてMDSC,Tregの測定が進む。また従来我々が測定してきた液性免疫(投与ペプチドに対する抗ペプチド抗体)、CTLアッセイとの関連をどのように見出すか。またT細胞の疲弊との関係を見出すための症例数として90例を予定しているが、この症例数で判別が可能か、課題が残る。(この場合は試験を継続延長する予定である)
|