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2015 Fiscal Year Research-status Report

樹状細胞選択的がんワクチンデリバリーシステムの開発

Research Project

Project/Area Number 26430179
Research InstitutionAichi Cancer Center Research Institute

Principal Investigator

葛島 清隆  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫学部, 部長 (30311442)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 近藤 英作  新潟大学, 病理学, 教授 (30252951)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsがんワクチン / 樹状細胞 / 細胞傷害性Tリンパ球 / 細胞透過性ペプチド / 抗原提示
Outline of Annual Research Achievements

がん患者体内の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を能動的に活性化する方法は“がんワクチン”と称される。我国では、エピトープペプチドを免疫原として接種する“ショートペプチド”ワクチンの臨床試験が広く実施されているが問題も指摘されている。すなわち、ショートペプチドは有能な抗原提示細胞である樹状細胞(DC)以外の細胞表面の組織適合抗原(MHC)にも直接結合し提示されるため、CTLのアナジーやアポトーシスを引き起こしてしまう。この解決のためには、1)免疫原をDCに集積すること、2)効果的な抗原提示のためにDCの細胞質に蛋白を導入することが必要である。これを同時に可能とする新たな抗原デリバリーシステムとして、DCに選択的に侵入する細胞透過性ペプチドcell-penetrating peptide(CPP)を考案した。本研究の目的は、DC指向性CPPをワクチン抗原蛋白に付加することでCTLがより効率良く誘導され、その結果より高い抗がん効果を発揮することを検証することである。
当初の研究実施計画は以下のとおり:
1)ヒトのDC指向性CPPを同定する。次に一部のアミノ酸を置換することで、より高いDC選択性を持ったヒト用およびマウス用CPPのアミノ酸配列を決定する。
2)DC指向性CPP付加によりヒトおよびマウスDCに選択的に抗原が侵入し、その結果CTLにエピトープが提示されることをインビトロで検証する。
3)マウスDC指向性CPPを付加したモデル抗原蛋白をマウスに接種し、免疫誘導およびがん効果の優位性を検証する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度は以下の実験を実施した。平成27年度に同定したDC選択的CPPにHLA-A*24:02によって提示されるヒトサイトメガロウイルスpp65蛋白に由来するCTLエピトープを融合したペプチドを合成した。このペプチドは38個のアミノ酸から成る。DC選択的CPPはH03Lと、F04Lの2種類を使用した。また、コントロールとしてアルギニン9個からなる非選択的CPP(R9) と同上CTLエピトープを融合したペプチドを合成した。これらのペプチドをそれぞれ、DC、EBウイルス感染リンパ球株(LCL)、線維芽細胞と一定時間共存後、このエピトープに特異的なCTLクローンと混合培養し、上清中に分泌されたインターフェロンガンマを測定した。H03LとF04LはR9に比べて、DC上での抗原提示が優れていた。同様の傾向は、LCLを使用した場合も認められたが、線維芽細胞ではあまり認められなかった。
次の段階として、蛋白分子を細胞質に導入する効率を検討することが必要である。このため、H03L、F04LあるいはR9をN末端に持つ大腸菌リコンビナントGFP蛋白を、現在作製中である。当初の目的であった、マウスDC指向性のCPP配列は本年度中に同定することができなかった。

Strategy for Future Research Activity

研究の次段階として、同定したヒトDC透過性CPPが、抗原蛋白分子を細胞質に導入する効率を検討することが重要である。このため、H03L、F04LあるいはR9をN末端に持つ大腸菌リコンビナントGFP蛋白を用いて導入を可視化する予定である。引き続きマウスDC指向性のCPP配列を同定する実験を継続する。
また、抗原提示を確認するためにはCTLを用いた実験が必要であるが、CTLの準備、アッセイが極めて煩雑なため実験遂行の律速段階となっている。これを解決するために、HLA-A*24:02/CMVpp65ペプチド複合体に直接結合する高親和性のT細胞抗原受容体(TCR)の作製を試みている。

Causes of Carryover

計画的な予算執行をしていたが、購入品の割引などがあり、若干の誤算が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

来年度の消耗物品として使用したい。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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