2015 Fiscal Year Research-status Report
未知ゲノムの解読:ドラフトレベルのアセンブリ配列を改築するシステムの開発
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26430200
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小杉 俊一 国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 研究員 (30365457)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 次世代シークエンシング / アセンブリ / パイプライン / ギャップ修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度構築したイネゲノムアセンブリデータセットを含め、線虫や酵母等のゲノムアセンブリデータを用いて、リファレンス配列にアライメントを行うことにより、ミスアセンブリ部位の同定を行った。ミスアセンブルを含むアセンブリ配列セット(True contig set)とミスアセンブリを含まないアセンブリ配列セット(False contig set)に分割し、それぞれのデータセットにおけるコンティグ間のアライメントの (1) オーバーラップ配列長、(2) オーバーラップ配列相同性、および (3) paired-end リードのマッピング率(forward read, reverse readの2コンティグ間サポートマッピング率)を計測し、統計解析を行った。これらの3つの統計量について、True contig setとFalse contig set間で尤度比を算出し、積算したスコアを用いることで、ミスアセンブリを含むコンティグアライメントとミスアセンブリ含まないコンティグアライメントを精度高く識別することができた。この尤度を利用したアルゴリズムを用いて、ゲノムアセンブリに存在するギャップをコンティグや長鎖リードを用いて精度高く修復するツール(GMcloser)を開発した。GMcloserは、既存のギャップ修復ツールと比較して同等なギャップ修復効率を維持しながら、5~100倍高い修復精度を示した。 ゲノムアセンブリ中のミスアセンブリの数、種類、部位について計測するツール(GMvalue)を開発した。本ツールは、アセンブリ配列をリファレンスにアライメントすることでミスアセンブリ部位を同定する手法を取り、既存の同様のツールでは困難な300 Mb以上の大きなサイズのゲノムにも適用できることや、ミスアセンブリを定義、同定するための細かな設定変更が出来ることが特徴である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目的であるゲノムアセンブリの高精度フィニッシングパイプラインの構築において、その主要コンポーネントである高精度ギャップ修復ツール(GMcloser)を開発し、論文発表できたこと、および、アセンブリ配列中のミスアセンブリ数や部位を同定するツール(GMvalue)を開発、論文発表できたことから、本研究課題がおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
アセンブリ配列のミスアセンブリ特性についてさらに解析を進め、リファレンス配列に依存せずにミスアセンブリ部位を同定するアルゴリズムを確立する。さらにそのアルゴリズムを取り入れたアセンブリを修正、再アセンブルするパイプラインの開発を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度にまとめた研究を発表する計画であった学会発表、論文発表が遅れ、それらに伴う学会参加旅費、論文校閲費等が当該年度に使用できなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額に相当する研究費は、研究発表のための学会参加旅費、論文校閲費、論文作成に用いるソフトウェア等の購入に充てる計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Rice breeding based on whole genome sequencing using next-generation sequencer.2016
Author(s)
Akira Abe, Hiroki Takagi, Satoshi Natsume, Hiroki Yaegashi, Hideko Kikuchi, Kentaro Yoshida, Shunichi Kosugi, Hiromasa Saitoh, Naoya Urasaki, Hideo Matsumura, Hiroyuki Kanzaki, and Ryohei Terauchi
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Journal Title
Seikagaku
Volume: 88
Pages: 44-53
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] MutMap accelerates breeding of salt-tolerant rice cultivar.2015
Author(s)
Hiroki Takagi, Muluneh Tamiru, Akira Abe, Kentaro Yoshida, Akiko Uemura, Hiroki Yaegashi, Tsutomu Obara, Kaori Oikawa, Hiroe, Utsushi, Eiko Kanzaki, Chikako Mitsuoka, Satoshi Natsume, Shunichi Kosugi, Hiroyuki Kanzaki, Hideo Matsumura, Naoya Urasaki, Sophien Kamoun, and Ryohei Terauchi
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Journal Title
Nature Biotechnology
Volume: 33
Pages: 445-449
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] A genetic mechanism for female-limited Batesian mimicry in Papilio butterfly.2015
Author(s)
Hideki Nishikawa, Takuro Iijima, Rei Kajitani, Junichi Yamaguchi, Toshiya Ando, Yutaka Suzuki, Sumio Sugano, Asao Fujiyama, Shunichi Kosugi, Hideki Hirakawa, Satoshi Tabata, Katsuhisa Ozaki, Hiroya Morimoto, Kunio Ihara, Madoka Obara, Hiroshi Hori, Takehiko Itoh, and Haruhiko Fujiwara
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Journal Title
Nature Genetics
Volume: 47
Pages: 405-409
DOI
Peer Reviewed / Open Access