2017 Fiscal Year Annual Research Report
Monitoring of range expansion of an alien grasshopper, Atractomorpha sinensis and estimation of its impact on native congener
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26430209
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Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
松本 吏樹郎 大阪市立自然史博物館, 学芸課, 主任学芸員 (90321918)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外来種 / 分布拡大 / 市民調査 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
webページ、メーリングリスト、およびtwitter等のSNSを利用して、広く一般から分布情報の募集を行い、214件の分布情報を得た。これらに基づいて逐次web上の分布情報の更新を行い、一般への情報提供を行った。2016年以前には確認されていなかった滋賀県守山市、野洲市、京都府木津川市、和歌山件岩出市(紀ノ川に沿って上流側へ)、兵庫県加古川市まで分布拡大していることが明らかとなった。これに加えて三田市や和歌山県海南市(文献記録上から)などこれらの分布境界線から離れたでも確認されており、人為により移動したケースと考えられた。また、すでに分布拡大が確認されている淡路島からの移入の有無を確認するため、本年も鳴門市で調査を行ったが、侵入は確認されなかった。四国にはまだ侵入していないと考えられる。以上のように広く市民に情報提供を呼びかけ、実際に調査を行ってもらい、それを目に見える形で公表する事により、分布の拡大の様子を克明に記録することができ、また市民の外来種への関心を高めるといった普及効果が得られた。 中国のサンプルに関してこれまでと別の地域のもの入手し、解析に加えたところ、日本に移入した個体群で見られる2系統のうちの1つと同一の、また台湾に見られる2つの系統のうち1つとごく近縁な配列をもつことが明らかとなった。台湾に見られるもう1つの系統は琉球の個体群と共通の配列やごく近い配列を持つことから、中国から台湾と日本という並行的な移入の可能性が示唆された。 2018年5月12日からは所属館において外来生物に関するミニ展示を行い、そのなかで本研究とこれまでの成果を紹介した。
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