2016 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the energetically efficient metabolic pathway of N-glycans in intestinal bacteria
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26440022
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
仁平 高則 新潟大学, 農学部, 特定研究支援者 (80615469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | N-グリカン / 酵素 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌は,過酷な生息環境に適応するために多種多様かつ特徴的な糖質代謝経路を有する。本研究では,嫌気性腸内細菌より我々が初めて見出したアスパラギン結合型糖鎖(N-グリカン)の新規代謝経路に関与する新規ホスホリラーゼ(加リン酸分解酵素),および本酵素遺伝子とクラスターを形成し,連携してN-グリカンの代謝に寄与することが推測される機能未知遺伝子がコードするタンパク質の反応メカニズムを,遺伝子工学的,構造学的および分子動力学的手法を用いて解析することにより,嫌気性腸内細菌に特徴的な,ホスホリラーゼが関与するATP消費抑制型N-グリカン代謝機構を明らかにする。 当該酵素の構造および機能解析に必要なβ-1,4-マンノシル-N-アセチルグルコサミンをマンノース1-リン酸およびN-アセチルグルコサミンを用いて,新規酵素の逆反応を利用して調製した。各種カラムクロマトグラフィーおよび電気透析装置により精製し,当該新規酵素の解析に必要な基質を十分量得た。 N-グリカンに共通する構造を加リン酸分解する鍵酵素β-1,4-マンノシル-N-アセチルグルコサミンホスホリラーゼの機能と構造の相関を明らかにするため,当該酵素のX線結晶構造解析を試みた。結晶構造解析成功の確率を上げるため,腸内細菌由来の酵素に加え他微生物由来の酵素についても併せて機能解析,結晶化および構造解析を遂行した。その内,腸内細菌由来の酵素について現在も構造解析を継続している。 また,ホスホリラーゼ遺伝子と同一遺伝子クラスター上に存在する機能未知タンパク質をコードする遺伝子をクローニングし,大腸菌を用いた組換えタンパク質の発現系を構築後,タンパク質発現,精製および活性確認を行なった。精製タンパク質を様々な構造を有する各種N-グリカンに作用させHPLC分析を行ったが,加リン酸分解および加水分解反応は認められず,機能同定に至らなかった。
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