2015 Fiscal Year Research-status Report
クランプローダーRFCによるクランプPCNA装てん機構の構造生物学的研究
Project/Area Number |
26440023
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大山 拓次 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (60423133)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | DNA複製 / 結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
RFC複合体の結晶のクオリティ改善に向けて:MPDを主たる沈殿剤とした条件でのRFC結晶化において、より多量の結晶を効率よく作成することを目的とし、組換え体RFC精製プロトコールの簡略化を試みた。これまで組換え体RFCは2ステップのカラムクロマトグラフィーにより精製を行っていたが、アフィニティカラムへのRFC結合条件ならびにカラムからの溶出条件を細かく検討することにより、1ステップで以前のプロトコールと同じクオリティの高純度RFCを調製できるプロトコールを構築することができた。その試料を用いて結晶化ならびにX線回折実験を行ったが、有意なクオリティ改善は見られなかった。 SeMetラベル化PCNAの原子構造決定:RFC-PCNA-DNA3者複合体結晶構造の重原子同型置換法による構造解析を見据えて調製したSeMet化PCNAについて、2.5オングストローム分解能で立体構造の決定と原子モデル精密化を行った。その結果、SeMet化PCNAは野生型PCNAと本質的に同じ構造を有していることが確認された。SeMet化PCNA の原子座標をプロテインデータバンクにID 5AUJとして登録した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RFC複合体の高分解能構造解析に向けて:H26年度の結晶化条件の改良、H27年度のRFC精製法の改良により、従来よりも迅速かつ大量に安定な結晶を得ることに成功した。しかし、未だ高分解能データ取得に至っておらず、それに伴い、本研究のメインターゲットであるRFC-PCNA-DNA3者複合体の結晶化実験の進行がやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
RFC複合体の高分解能結晶構造決定に向けて:新たに得られたRFC複合体結晶を大量に調製し、高品質化に向けた結晶成長後のハーベスト条件(脱水法など)をさらに広範かつ綿密に検索し、高分解能X線回折データの取得ならびに原子構造決定を目指す。 RFC-PCNA-DNA3者複合体結晶化に向けて:後半に結晶化条件を検索し、3者複合体結晶取得を目指す。複合体形成に用いるテンプレート/プライマーDNA構造やATPアナログについて、これまでの予備実験を参考として広範囲に検索する。H27年度末、本研究室に微量半自動結晶化装置モスキートが設置されたため、結晶化条件検索はこれまで以上にスムーズに行うことができると期待している。
|
Causes of Carryover |
H27年度はH26年度からの繰り越し\168238を含んでいたため、本年度の執行額は概ね当初の予定通りであったといえる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
3者複合体結晶作製に必要なDNA、ATPアナログ、および微量半自動結晶化装置消耗品を当初の予定よりも多く調達し、結晶化実験を促進させる。
|
Research Products
(5 results)