2015 Fiscal Year Research-status Report
複製再開始複合体における分子集合・解離メカニズムの解明
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26440031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 義人 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60315091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 勉 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (70264059)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複製再開始プライモソーム / タンパク質-DNA複合体 / 蛋白質構造 / DnaT / PriC / PriB |
Outline of Annual Research Achievements |
紫外線や化学物質によって生じるDNA損傷によって、一時的にDNA複製は停止し、DNA修復が起こった後、複製フォーク構造が再形成されると考えられている。この複製フォーク構造の形成後にDnaBヘリカーゼが再導入され、複製は再開始される。この大腸菌複製再開始のメカニズム研究を構造生物学的観点から行うこと、また複製ヘリカーゼであるDnaBヘリカーゼ導入の共通した機構が見い出せるかどうかを目的としている。交付申請書に記載した「研究の目的」では1)PriA依存的複製開始における構造および相互作用解析における①PriBの相互作用解析および②DnaTの構造および相互作用解析、2)PriC依存的複製開始における相互作用解析をあげている。本年度はPriA依存的経路において重要であると考えられているPriB-DnaTの相互作用部位をNMR、変異体解析を中心に調べた。また、これまでわかっていないPriC依存的経路における最終ステップであるヘリカーゼDnaB-PriCの相互作用に関して、相互作用部位の解析を変異体解析、NMR解析を用いて行った。その一部は招待講演を含めた学会発表を行い、現在論文作成の準備を行っている。また、一方で本年度は申請書には記載していないが、大腸菌変異株のDNA複製に関わる細胞分裂再活性化因子CedAの構造・機能相関に関する論文を発表した(Abe Y. et al, Journal of Biochemisty)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の目的で述べている立体構造を基盤とした相互作用解析に関しては、これまで概ね順調に進んでいる。さらにPriB-DnaT、DnaB-PriCの相互作用に関して、現在解析を進めており、順調に行けば近日論文として発表できると考えている。また立体構造解析においてもDnaTN末ドメインに関しても、変異体を作成し、現在NMRもしくはX線解析が可能になってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はほぼ順調で、大腸菌複製再開始プライモソームの相互作用を含めた立体構造を基盤とした解析が進んでいる。一方で、速度論的な解析に関しては十分に進んでいるとは考えておらず、解析系の開発が必要である。これらの方法を開発し、当初の研究目的である分子集合、解離のメカニズムを調べていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
物品費の利用に用いる予定が少々余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の物品の購入に用いることにする。
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Research Products
(8 results)