2015 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲンを中心とした巨大分子分泌マシナリーの包括的解析
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26440046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 康太 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (60549632)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コラーゲン / 分泌 / 小胞体 / COPII / 低分子量Gタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体で合成された分泌タンパク質は、小胞体上に存在する特別なドメインであるER exit siteより、COPII被覆小胞に積み込まれて小胞体を出芽し分泌される。しかしながら、コラーゲンは小胞体内で巨大な複合体を形成するため、通常の小胞には入りきれない。そのため、特殊なメカニズムにより分泌されることが考えられていた。 研究代表者は先に、コラーゲンの積み荷受容体複合体として、cTAGE5/TANGO1複合体を単離した。さらに、cTAGE5に低分子量G蛋白質Sar1の活性化因子であるSec12が直接結合すること、この結合によりSec12がER exit siteに局在化することがコラーゲンの分泌に必要であることを見出していた。本年度は、さらにcTAGE5上のSec12との結合ドメインを点変異にまで絞り込んだ。この点変異体を発現した細胞においてはVII型コラーゲンの分泌は阻害されていたが、ここにSar1を過剰発現した際にはコラーゲンの分泌が回復した。以上の結果から、コラーゲンの分泌にはcTAGE5によってER exit siteに集積されたSec12によってSar1が効率的に活性化されることが必要であることが明らかとなった。また活性化型に固定されたSar1においては分泌が回復しなかったことから、コラーゲンの分泌にはSar1のGTPaseサイクルが効率よく回転することが必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究実績に記載した内容について順調に進捗を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本複合体はER exit siteに局在化する積み荷受容体として特殊である。これまでの結果をふまえ、生化学的な手法によりコラーゲン積み荷受容体の構成を探る。
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Causes of Carryover |
今年度は、前年度の研究をさらに詳細に検討する研究であったため、新たな器具や試薬の購入が少なくて済んだが、次年度より生化学的な手法を取り入れるために新たな器具等の使用が考えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、積み荷受容体の構成の解析のために、生化学的アプローチを用いる予定である。このため、新たな試薬および器具の購入が必要と考えられる。
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