2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of membrane fusion machineries for cancer cell invasion
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26440064
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
井上 弘樹 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (10294448)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 浸潤突起 / 細胞外基質分解 / MT1-MMP / SNARE / 浸潤性がん細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞が形成する浸潤突起は,細胞外基質 (ECM) を分解する活性を有するアクチン細胞骨格に富む細胞膜の微細な突起状構造で,がん細胞の浸潤において重要な役割を果たす。MT1-MMPと呼ばれる膜結合型タンパク質分解酵素は浸潤突起におけるECM分解を担う主要な因子で,細胞内小胞輸送の複数の経路により浸潤突起に運ばれると考えられている。しかしながら,その分子機構の詳細は未解明の点が多く残されている。本研究では,浸潤突起形成とMT1-MMPの浸潤突起への輸送に関わる膜融合タンパク質SNAREを網羅的に同定し,それらSNARE分子とその制御因子が浸潤突起形成に果たす役割を分子レベルで明らかにすることを目指して研究を行った。我々は,一昨年,昨年にMDA-MB-231細胞において発現している35種のSNAREについて,それらのドミナントネガティブ変異体を作製し,浸潤突起の形成とMT1-MMPの輸送に関与するSNAREを新たに3種同定した。そのうち少なくとも一つのSNAREについては発現抑制により浸潤突起における細胞外基質分解の低下,細胞表面のMT1-MMP量の減少,MT1-MMP陽性エンドソームの肥大化が認められた。一方,このSNAREを過剰発現した細胞では浸潤突起における細胞外基質分解の亢進と細胞表面のMT1-MMP量の増加が認められた。さらに,このSNAREはがん細胞の浸潤活性に相関してエンドソームに局在するSNAREと複合体を作ることを見出した。以上の結果から,非浸潤性細胞とは異なり,浸潤性がん細胞が今回同定したSNAREをMT1-MMPの輸送に利用していることが強く示唆された。
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Research Products
(2 results)