2015 Fiscal Year Research-status Report
病原菌を効率的に排除するために必要な、糖鎖修飾変化の機構
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26440066
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山本 美紀 (日野美紀) 立教大学, 理学部, ポストドクトラルフェロー (40301783)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自然免疫 / 糖鎖修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
私達はこれまでにショウジョウバエを用いて、細菌の感染によって宿主の糖鎖修飾が変化し、その変化が自然免疫反応の適切な活性化に重要であることを報告してきた。本研究では、その糖鎖が変化するメカニズムを解明するとともに、このような自然免疫の糖鎖による制御が、脊椎動物でも保存されているかどうかを検討することを目的としている。 今年度は、感染によって変化する糖鎖を合成する酵素の同定を行った。現在、その酵素のショウジョウバエ変異体を作成中で、最終年度に評価する準備ができつつある。 またこれに付随して、感染による自然免疫の活性化は、これまでに知られている古典的なToll pathwayの活性化経路に加えて、それとは別の活性化経路があることを発見し、私たちの見つけた糖鎖修飾による自然免疫反応の制御は、この新しい経路を制御している可能性を示すことができた。この発見については、論文発表を行った。 脊椎動物における検討に関しては、ゼブラフィッシュを用いた解析に着手した。具体的には、ショウジョウバエで自然免疫を制御していることが明らかとなった、糖鎖修飾関連分子senjuのゼブラホモログの変異体を作成している。最終年度にはこの変異体の解析が可能である。ショウジョウバエと同様に、ゼブラフィッシュのsenju変異体でも、糖鎖修飾が異常になり、自然免疫が恒常的に活性化していることを示すことができれば、脊椎動物でも糖鎖修飾による自然免疫の制御があることを示すことができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然免疫に関わる糖鎖を合成する酵素の同定にほぼ成功したと考えられる。また脊椎動物で糖鎖による自然免疫の制御が保存されているかどうかについて、ゼブラフィッシュを用いた解析に着手し、最終年度に結果が出るよう、順調に準備が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は特に脊椎動物での糖鎖修飾による自然免疫の制御が保存されているかどうかに重点をおいて、研究を進める。
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Causes of Carryover |
消耗品などを予定より低価格で購入することができたため、次年度使用額ができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は次年度分とあわせ、主に消耗品費に割り当てる予定である。
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